第17話 ベスト4を懸けた戦い
甲子園の空は青く晴れ渡り、球場全体が熱気に包まれていた。
俺たちはすでに2回戦を3―1、3回戦を6―5で勝ち抜き、ベスト8に残っていた。
そして今、ベスト4をかけた大一番に挑もうとしている。
対戦相手は関西の強豪校。打撃力が売りで、大会屈指の強力打線を誇っていた。
マウンドに立つエースの先輩が唇を引き結び、外野では勇気が軽くステップを踏む。
緊張と期待で胸が高鳴る。
――勝てば、和哉のチームと当たる。
その事実が、俺の心を燃え上がらせていた。
◇
試合は序盤から激しい展開となった。
二回裏、相手の四番打者にレフトへ痛烈なタイムリーを浴び、先制を許す。スタンドがどよめく。
だが三回表、勇気が四球で出塁すると、すぐさま盗塁を決める。
続くバッターが送って二死三塁。俺にチャンスが巡ってきた。
外角低めのストレート。狙いすましたスイングで弾き返す。
打球は三遊間を破り、勇気がホームイン。同点に追いついた。
「よしっ!」
拳を握り、ベース上で叫んだ。
◇
中盤は互いに一歩も譲らぬ攻防が続いた。
六回表、勇気がまたも出塁。
二盗を決め、相手バッテリーを翻弄する。
俺は外角スライダーを逆らわず流し打ちし、再びタイムリー。
スコアは2―1、ついに逆転だ。
だが相手も強豪だった。七回裏、二死から連打を浴び、犠牲フライで追いつかれる。
試合は2―2のまま最終回へ。
◇
九回表。先頭は勇気。
初球を叩きつけると、遊撃手が弾き、全力疾走で一塁へ滑り込む。判定はセーフ!
球場がどよめいた。
そして俺の打席。
「ここで決めろ、太陽!」
仲間たちの声援が背中を押す。
カウント2―1。相手投手が渾身の直球を投げ込んできた。
「うおおっ!」
フルスイングで捉えた打球は、ライト線を破る。勇気が一気に三塁を蹴り、ホームへ突っ込む。
「セーフ!」
土煙の中、勇気の手がホームベースを掠めた。
3―2。勝ち越し点。
九回裏はエースが踏ん張り、三者凡退。試合終了の瞬間、俺は勇気と抱き合った。
◇
「太陽、次は……和哉だぞ!」
「ああ……ここまで来た。ようやくあいつと戦える」
努力でここまでたどり着いた俺と勇気。
そして別々の道を選んだ和哉。
再会の舞台は整った。
宿命の対決が、いよいよ幕を開ける。
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