第12話 監督と上級生の評価

練習試合が終わり、整列を解かれた俺たちはベンチに戻った。


心臓はまだドクドクと早鐘を打ち、汗は止まらない。初めての実戦は刺激の連続で、正直言って足腰は限界に近かった。


だが、監督や上級生の反応はすぐに返ってきた。


「一年にしてはよくやったな」


三年のキャプテンがそう言って俺の肩を叩いた。


「特に太陽の打撃。あの二塁打は見事だ。ただ、守備はまだ硬いな。飛びつきは悪くなかったが、送球のタイミングが一瞬遅い」


鋭い指摘に、胸が熱くなる。褒められるのは嬉しいが、課題を突かれると燃えるのが俺の性格だ。


勇気にも先輩たちの視線が集まっていた。


「お前の足は驚異だな。盗塁も俊足も本物だ。ただ、バッティングは足任せだと読まれるぞ。配球を読む眼を鍛えろ」


「はい!」と勇気は大声で返事をした。その表情には不安はなく、むしろ挑戦を楽しんでいるように見えた。



そして監督が一歩前に出て、俺たち一年生全員に向き直った。


「今日の試合で分かっただろう。高校野球は中学とは違う。お前たちの実力は確かに通用するが、このままでは上級生に埋もれる」


監督の目が俺と勇気に向けられる。


「太陽。打撃力は評価できる。だが三振もあったな? 相手投手の変化球に対応する力を磨け」


「……はい!」


「勇気。盗塁は脅威になる。ただし速さだけでは全国では勝てん。出塁率を上げろ。四球でもいい、とにかく塁に出る意識を持て」


「はいっ!」


的確すぎる指摘に背筋が伸びた。


評価と同時に突きつけられた課題。だが、それは俺たちが戦力として期待されている証でもあった。



試合後、寮へ戻ると勇気がベッドに倒れ込みながら笑った。


「なぁ太陽、俺たち絶対にレギュラー取ろうな。和哉にだって負けてられない!」


「ああ。ここからが本当の勝負だ」


心の奥底に再び火が灯る。和哉は別の高校で、俺たちと同じように戦っているはずだ。


必ず再び相まみえる。その時まで、俺はこの場所で全力で成長し続ける。

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