第25話:拡散する網

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サヤとミカはベッドの上でスマホを開き、指先を震わせながら入力を始めた。

《#第7病棟》《#消えた友達》《#謎の転院》

まずは自分たちのクラスメイトやフォロワーに向けて、都市伝説めいた形で投げる。

画面にはすぐに反応が返り始めた。

《うちの学校にもそんな話あった》

《友達の姉ちゃんが、急に転院させられた》

——さざ波のように情報が広がっていく。

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光の声が、イヤホンから二人の耳に届く。

《投稿の拡散範囲は私が逐一追跡しています。個人を特定される危険はありません》

サヤは深く息を吐き、ミカは「よかった……」と小さく安堵の声を漏らした。

しかし光はすぐに続ける。

《ただし、偽情報も混じっています。見分けを誤れば、逆に利用されかねません》

その言葉に、二人の表情が再び引き締まった。

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同じ頃、セーフハウス。

蓮司と朝比奈、榊原、真鍋はモニターに映るSNSのログを凝視していた。

「……あの子達、やるじゃない」

朝比奈が苦々しく呟くが、その声にはどこか頼もしさも混じっている。

蓮司は黙って画面を見つめ、拳を握った。

(あの子たちにまで背負わせて……でも、これが道を開く)

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スマホの画面には、新たな通知が点滅していた。

《転院した子が戻ってこない》

《夜中に輸送車を見た》

——噂は連鎖し、確かな証言と虚構が入り混じり、網のように広がっていく。

サヤとミカは顔を見合わせ、強く頷いた。

その瞳にはもう迷いはなかった。

——小さな火種は、確かに大きな炎へと育ち始めていた。




■次回予告 ― 第26話「揺らぐ影」

港から病院へと続く裏の搬送ライン——その影に潜む黒幕の声。加工された通信の奥から浮かんだ名は、笹本信一。支配者の冷酷な設計図が明らかになり、獲物を弄ぶ笑みが闇に揺れる——。

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