心霊スポット廃ダンジョン《でっち上げ》~不運の連続から、廃ダンジョンを手に入れた。ダンジョン復活を目指して頑張るぞ~

喰寝丸太

第1話 墜落したイカロス

 あー、働きたくないでござる。

 人間関係で30歳の時に会社を辞めた。

 それから3年で、たくさんあった貯金も既に尽きかけている。


――――――――――――――――――――――――

ステータス覚醒しました。

強化ポイントが100支給されます。

――――――――――――――――――――――――


「この半透明な青い板はもしかして……。やった覚醒したぜ! これで俺も勝ち組!」


 環境破壊に業を煮やした神様は地球をダンジョン世界に作り変えてしまった。

 もう100年近く前の出来事だ。

 資源はダンジョン以外に出なくなった。

 おまけに機械に謎のトラブル続出。

 プラントも工場も自動車もスマホもだ。


 魔力を動力源にした機械なら壊れないと知って文明は復活した。

 だが、科学技術の発展は止まっている。

 魔力を使う魔法技術は発展してるけどな。


 さて、生まれ変わったつもりで、人生最スタートだ。

 強化ポイント100は普通。

 才能ある奴だと、1万を超える奴もいるらしい。

 そういうのは仕方ない。

 俺が才能なしの底辺だという自覚はある。


「ステータス言語がいつの間にか頭の中にある。知ってけどな。じゃ、【ステータス・オープン】」


――――――――――――――――――――――――

名前:やなぎ熱蔵あつぞう

レベル:1


強化ポイント:100

魔力量:10/10


攻撃力:1

防御力:1

瞬発力:1

持久力:1

知識力:1

スキル:

 ガチャ

――――――――――――――――――――――――


 ステータス覚醒者の最初の数値は、みんなこんな感じ。

 ガチャスキルって、聞いたことがないな。

 今までゲームでさんざんガチャをやったから、もちろんどんな物なのか想像がつく。

 初期スキルはその人の人生を写す鏡。

 ガチャは好きだよ。

 いいや、大好きだ。

 金さえあれば、1億円をつぎ込みたい。


 やるしかないだろな。


「【説明】ガチャ」


――――――――――――――――――――――――

強化ポイントが10使って、ガチャが1回できます。

【ガチャ、スタート】で起動です。

――――――――――――――――――――――――


「【ガチャ、スタート】」


――――――――――――――――――――――――

何が出るかな♪ 鬼が出るかな♪ 蛇が出たりして♪

景品はこれです、■■■■■■■■■■■。

――――――――――――――――――――――――


 メッセージの伏字が光り、次々に色を変える。

 ひと際、強く光って、そして灰色に。


――――――――――――――――――――――――

何が出るかな♪ 鬼が出るかな♪ 蛇が出たりして♪

景品はこれです、残念ハズレ再挑戦してね。

――――――――――――――――――――――――


 くそっ、ハズレかよ。

 当たりが出るまでやるしかないな。


 気づいたら、これで最後。


「残り物の福よ来い! パンドラの箱になれ! 希望が欲しいんだ! 【ガチャ、スタート!】」

――――――――――――――――――――――――

何が出るかな♪ 鬼が出るかな♪ 蛇が出たりして♪

景品はこれです、■■■■■■■■■■■。

――――――――――――――――――――――――


 部屋が光で満たされた。

 うおっ、当たりか、どうなんだ?

 目が慣れて、見えたのは。


――――――――――――――――――――――――

何が出るかな♪ 鬼が出るかな♪ 蛇が出たりして♪

景品はこれです、Cランクダンジョン・モンスターオードブルのオーナー権利。

――――――――――――――――――――――――


「やったぜ! 【ステータス・オープン】」


――――――――――――――――――――――――

名前:やなぎ熱蔵あつぞう

レベル:1


魔力量:10/10


攻撃力:1

防御力:1

瞬発力:1

持久力:1

知識力:1


シークレットスキル:

 ダンジョンオーナー

――――――――――――――――――――――――


 ガチャスキルは用済みで消えてる。

 強化ポイントもだ。


「ええと、【説明】ダンジョンオーナー」


――――――――――――――――――――――――

Cランクダンジョン・モンスターオードブルのオーナーの証。

パッシブスキルです。

毎月25日に配当が支給されます。

――――――――――――――――――――――――


 働かなくて良いってこと?

 最高だ。

 25日までは2週間。

 それぐらいなら、金は問題ない。


 ダンジョンひとつ分の利益なら、相当行くんじゃね。

 全部が俺に入るとは限らないけど、金持ちになれそうな予感。


 3日後。


「みなさん、Cランクダンジョン・モンスターオードブルが、制覇されました」


 何気なく見てたニュースから聞こえたリポーターの声。

 えっ……。

 人生で初めて、血の気が引いたのが、はっきりと分かった。

 鏡を見なくてもたぶん真っ青。

 足に力が入らない。

 体が震えている。


「おめでとうございます、ダンジョンコアを売ったお金の推定3億円を何に使いますか?」

「ダンジョンコアは売りません。製造プラントを作るつもりです」


 くそっ、俺のダンジョンを攻略しやがって。

 怒りがこみ上げる。

 なんてついてないんだ。


 俺ばっかり不運なのは許せん。

 思い出してみれば、昔から運が悪かった。

 確かにガチャスキルに懸けたのは、俺の決断だ。

 だが、一度も配当を貰う前にってのは、酷過ぎる。

 上げてからの落ちはきつい。

 神を呪っても良いんじゃないかとさえ思える。


 嬉しいことがあった時に開ける予定で、10年前に買った今ではプレミアが付いているウイスキー。

 配当日に飲もうと思ってたたが、封を開けてラッパ飲み。

 喉が焼けて盛大にむせた。


「ごほっ、げほっ。何やってんだ俺」


 底辺なのはデフォだろ。

 そうだよな。

 これが俺だ。

――――――――――――――――――――――――

あとがき

 ホラーを書けという、家族からのむちゃぶり。

 怖い話は書くネタが色々とあるよ。

 あるけど、誰も同じだと思うけど、執筆する時には想像力を全開にする。

 夜に執筆することが多いから、さすがにホラーな想像を全開は怖い。

 幽霊とか今までに見たこともないし、信じてないけど、なぜか怖い。


 なので怖くないホラーで考えた。

 出した答えがこれ。

 怖くない法螺ーホラー


 反応が悪ければ10話で終わる予定。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る