新聞記事3
初報記事(2019年7月25日 中国経済新聞 朝刊掲載)
20代男性配信者 行方不明に 自宅に財布・スマホ残したまま
(2019年7月25日 山陰日報)
島根県雲ヶ浜市在住の動画配信者・佐伯拓海さん(24)が今月13日深夜の配信を最後に消息を絶ち、警察が行方を追っている。自宅からは財布やスマートフォンなど生活必需品が残されたままで、事件や事故に巻き込まれた可能性もあるとして、雲ヶ浜署が情報提供を呼びかけている。
佐伯さんは2017年から動画投稿サイトで活動していた配信者で、登録者は約1万2千人。ホラーゲームの実況や雑談配信を中心に人気を集めており、地元でも「夢を追う若者」として知られていた。友人で同じ配信者の「ハル」さん(27)は、「彼は明るくて、ふざけながらも真面目に配信を続けてきた。いなくなるなんて信じられない」と声を震わせた。
雲ヶ浜署によると、佐伯さんは13日午後11時45分ごろから翌14日午前1時半ごろまで、自宅から動画配信を行ったのを最後に、家族や友人との連絡が途絶えた。翌14日昼、友人がメッセージを送ったが既読がつかず、夜になって電話をかけても応答がなかった。15日には実家の両親が心配して訪れたが、返答はなく、管理会社を通じて確認したところ、部屋は施錠されており無人だった。机の上にはパソコンが起動したまま残され、財布、スマートフォンも置かれていたという。外出の形跡は乏しく、警察は不審な失踪の可能性も視野に入れている。
佐伯さんを知る近隣住民は「夜遅くに笑い声が聞こえることもあったが、迷惑ではなく、若者らしいと思っていた。突然いなくなるなんて」と驚きを隠さない。また、地元商店の男性は「何度か買い物に来ていた。礼儀正しく、にこやかな印象だった」と話した。
警察は14日夕方に捜索願を受理。近隣の聞き込みや防犯カメラの解析を進めているが、現時点で有力な手がかりは得られていない。雲ヶ浜署生活安全課の担当者は「些細なことでも構いません。目撃情報や本人に関する情報があればご連絡ください」と呼びかけている。
情報提供は雲ヶ浜署生活安全課(TEL:0853-00-0000)まで。
第2報(2019年7月29日 松江日報 夕刊掲載)
消えた配信者 動画に「背後の人影」 警察が解析進める
(2019年7月29日 松江日報 夕刊)
島根県雲ヶ浜市在住の動画配信者・佐伯拓海さん(24)が行方不明になってから2週間が経過した。雲ヶ浜署は29日、佐伯さんが失踪直前に配信した映像を改めて解析した結果、「背後に人影のようなものが映り込んでいる」と明らかにした。警察は第三者が室内に侵入した可能性も含め、事件性の有無を慎重に調べている。
問題の配信は今月13日午後11時45分から14日午前1時半ごろまで行われたもの。署によると、当時の佐伯さんは普段通りゲーム実況をしていたが、午前1時を過ぎた頃から発言が減り、しばしば背後を気にするような仕草を見せていた。その後、映像のノイズが強まり、終了直前の数秒間に「人影のようなもの」が画面奥に現れたという。
雲ヶ浜署幹部は「映像は不鮮明で、人物かどうか断定できない。ただ、机や椅子の配置と比べると、説明のつかない影が確認できる」と説明。現場の部屋には侵入の痕跡がなかったが、警察は「本人以外の存在が映り込んだ可能性」を重視し、専門部署に解析を依頼した。
佐伯さんの友人で同じ配信者の「ハル」さん(27)は「最後の配信をリアルタイムで見ていたが、コメント欄でも“後ろに誰かいる”と騒ぎになっていた。気のせいかと思っていたけど、本当に何か映っていたのかと思うと背筋が寒い」と語った。
配信を視聴していたリスナーの一人も「照明が暗くなった後、画面の隅に何かが動いた気がした。チャット欄に『見えた』と書き込む人もいた」と振り返る。
一方、佐伯さんの家族は「息子が事件に巻き込まれたのかと思うと気が気でない。どうか無事に戻ってきてほしい」と訴えている。
雲ヶ浜署は佐伯さんの自宅周辺での聞き込みを強化し、夜間に不審な人物を目撃した住民がいないか調査している。また、映像を分析した担当者は「光の加減やカメラのノイズによる錯覚の可能性もあるが、慎重に調べる必要がある」としている。
警察は引き続き市民に情報提供を呼びかけている。
記事削除
松江日報 公式サイト掲載文(2019年7月28日付)
「記事削除に関するお詫びとご説明」
平素より「松江日報」をご愛読いただき、誠にありがとうございます。
7月27日付当紙およびウェブ版に掲載いたしました「松江市在住の配信者男性が行方不明」と題する記事につきまして、複数の読者の皆様から内容に関するご指摘をいただきました。
当該記事においては、行方不明となっている男性が最後に配信した映像の内容を警察関係者のコメントとして紹介しましたが、その一部において確認が不十分なまま「背後に人影のようなものが映っていた」との表現を用いてしまいました。
本件について警察当局より「そのような発表をした事実はない」との連絡を受け、社内で改めて調査を行った結果、取材過程において関係者の証言が錯綜し、誤解を生じさせる記述となった可能性が高いことが判明いたしました。
また、記事公開後、SNS上において「影」「人影」といった文言のみが独り歩きし、行方不明者ご本人やご家族のご心情を著しく害しかねない状況となっております。
つきましては、読者の皆様に正確な情報をお届けするべき新聞社としての責務に鑑み、当該記事を削除するとともに、改めて事実関係の確認を慎重に進めてまいります。
なお、削除という措置に至った経緯につきましては「隠蔽」とのご批判を招く可能性があることも承知しておりますが、あくまで未確認情報の拡散を防止するためであり、決して意図的に事実を覆い隠そうとするものではございません。
このたびは、読者の皆様、そしてご家族・関係者の皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけしましたことを、心より深くお詫び申し上げます。
今後このような事態が再び生じないよう、編集部内でのチェック体制を強化し、真摯に取り組んでまいります。
2019年7月28日
松江日報 編集局
記事削除に対しての反応
山陰日報(2019年7月29日 朝刊)
「削除は混乱収束か、それとも隠蔽か 松江日報『配信者失踪記事』をめぐり波紋」
松江市在住の男性配信者(20代)が7月13日の配信を最後に行方不明となっている件で、27日に報じた松江日報の記事が28日夜に削除され、編集局名義の謝罪文が公開された。
削除された記事には、警察関係者のコメントとして「最後の配信映像に背後の人影のようなものが映っていた」との一文があった。謝罪文ではこれを「確認が不十分なままの表現」とし、さらに「SNS上で『影』『人影』といった言葉だけが独り歩きしたため削除に至った」と説明している。
しかし、こうした松江日報の対応について、ネット上ではかえって憶測が広がっている。
掲示板やSNSでは、
「わざわざ削除する方が怪しい」
「隠蔽って自分で書いてるの草」
「影って言葉が勝手に広まったんじゃなくて、本当に映ってたんだろ」
といった声が相次いでいる。
当紙が独自に警察関係者へ確認したところ、「詳細については捜査中のためお答えできない」との回答にとどまった。人影の有無や記事削除に関する直接的な説明は得られなかった。
松江日報の謝罪文は「未確認情報の拡散を防止するため」と繰り返し強調しているが、「誤解を与える表現を用いたのは確かだが、隠蔽ではない」という釈明の仕方自体が火に油を注いだ格好となっている。
行方不明の男性をめぐる不可解な状況に加え、報道の揺らぎが新たな疑念を呼んでいる。
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