もっと早く『限界独身女子(26)ごはん』を知っていたかった ~好きになったばかりの漫画が打ち切りだなんて悲し過ぎる~

橙こあら

1.『限界独身女子(26)ごはん』を好きになったが色々と遅かった私

 2025年、とある漫画と出会った私は第1話を読んで見事に好きになった。的場りょう先生作『限界独身女子(26)ごはん』である。3年間ブラック企業に苦しめられた(例:上司にバインダーで頭を殴られ流血)「限界独身女子」のひいらぎ美夜子みよこ(26)が、少しずつ元気になっていくヒューマンドラマだ。

 第1話読後に「これから美夜子さん、どうなっていくんだろう……気になる!」と思った私は、あっという間に最新話まで読み進め、すぐに書籍を全巻揃えた。ずっと美夜子さんを見守りたくなったのである。

 真面目で優しい美夜子さんを応援したくなった私。しかし魅力的なキャラクターは美夜子さんだけではない。美夜子さんの飄々とした妹で、人気ネットタレント・真陽まひろ。日本語勉強中の陽気なコンビニ店員・アン。アンが働くコンビニの無愛想(だが実は……)な店長。ある雨の日、美夜子さんに救われた黒猫・海苔。そして、その海苔を診察した、一見クールな東。生きることに疲れた美夜子さんを元気にしてくれる、個性的な面々だ。誰でも登場する度に嬉しくなるし、誰が美夜子さんと絡んでもワクワクする。登場キャラクターが増えてからは「今回は誰が出るのかな」とドキドキしながら読んでいた。

 この作品に出会えて大喜びした私は「ファンレターを書かなくては」と思った。しかし書きたいことがあり過ぎるのか、なかなか文章がまとまらない。とうとう私は「いつか書こう。ステキな作品だし、連載は長く続くに違いない。まだまだ大丈夫……」と考えてしまった。

 そして私は、ある日ショックを受けることになる。何と出会ってから、好きになってから1年も経過していない『限界独身女子(26)ごはん』の打ち切りが決まってしまったのだった。これまでエッセイや小説で、あんなにも「ファンレターは良いぞ!」と書いていた私は後悔した。なぜ早くファンレターを書かなかったのか。行動が遅かった自分に怒りが湧いた。また『限界独身女子(26)ごはん』を、もっと早く知っていたかった……と悔しくなった。

 もう間に合わないだろうか。的場先生は既に最終回を描かれただろう。遅いかもしれない……だが何もしないよりはアクションを起こした方が良いに決まっている。どうにか前向きに考えられた私は、こうして『限界独身女子(26)ごはん』を語ることにした。これで作品の読者ファンが増えるなど、良い変化が起こるかどうかは分からない。それでも可能性があるならば、とにかく自分にできることはやりたい。もちろんファンレターも書く。

 もっと美夜子さんを応援したい。見守りたい。みんなに会いたい。的場先生に描きたい物語を最後まで描いていただきたい。どうか『限界独身女子(26)ごはん』の打ち切りが撤回されますように。

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