第2話 フイル
腐敗児とは、生まれつき身体に
亀裂があり、齢25前後に精神だけ死に、
魔物のような破壊衝動にだけ動く
化け物のことである。
多人種共和のバラエデ共和国でもいまだに
差別がある種族である。本来ならば一生を
監視生活か、生まれた時に殺されるのが
普通なのだ。なぜなら、普段過ごしている時に凶暴化などしたら周りに
被害が出てしまう。さらに言うと
『冒険者』などといういつ魔物に襲われるか
わからないダンジョンに潜る職業で背中を
預けるのが腐敗児などもってのほか、
しかし、この少年は
本来冒険者を目指すための学校に
通う異端分子。それ故に
いじめこそされなかったが、
その"異質"から避けられ、孤立していた。
───☆───☆───☆───
魔法学園校庭(闘技場)
担任「皆さん揃いましたかぁ?はい。」
ラウス達の担任は特徴的な喋り方が特殊だ。
担任「今日は特別講師のフイル先生に実技を
して頂こうと思いますぅはい。」
ラウス「……フイル…?」
フイル…近頃冒険者として名を
上げて来た者の名前である。
情報に疎い魔法学園生徒でも
聞いた事がある名前だ。
カツッカツッカツッと闘技場の入り口から足音が
近づいて来た。ザワザワしていた生徒達が
自然と黙り、そちらを向いていた。
静寂から現れたのは
隻眼の金髪の青年だった。あまり
ラウスと年が離れてないように見える。
担任「この方が特別講師の
クト・フイルさんですぅはい」
担任が一言言うとフイルは
一歩前に出て口を開いた。
フイル「B級冒険者のフイルだ。よろしく。」
皆が一瞬騒ついた…気がした。どんな講師が
来るのだろうと妄想を働かせていた
生徒達には予想外の人間だったからだ。
通常この様な依頼はしっかりとした教育を
受けているかつ、そこまで忙しく無い
実力のあるC級の冒険者が受けるからだ。
服もよれよれでボサボサな頭、酷い隈まで
ある。とてもしっかりとした教育を受けた
人間には見えない。
担任「みなさんはぁまだコアロボが
無いのでぇ剣術指南のみですがぁ残りの時間
よろしくお願いしますぅはい。」
フイル「わかりました。」
フイルの返事を聞くと担任は闘技場を
後にした。
ラウス「…ん?残りの時間…?」
フイル「あぁ。今日の残りの10時間、
俺に一撃当てるまで帰らせねぇから」
一同「…は?」
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