EP-004 confidential document
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ようこそ同志諸君。
“我々”は、SCP-xxxxの異常性を正しく理解しようとする者達だ。
しかし、このような“性質”はごく限られたものであり、O-5以下の上層部の者達には確認できない。
これは、彼らがSCP-xxxxに対して情報封鎖等の動きを一切示さない事からも明白である。
従って、SCP-xxxxに対する如何なる申し立ても無効化される事は、さもありなん、だ。
知っての通り、事態はすでに深刻で、更なる悪化の兆しを見せ始めている。
諸君らの中には、財団の理念を硬く信じる者もいれば、疑問を持つ者もいることだろう。
その如何に関わらず、我々は財団の管理下にある。
当然だが、彼らの意向にそぐわぬ異分子は排除される。
私は先日、SCP-xxxxと他のアノマリーとのクロステストを提言した。
結果、直属の上司は私の提言を却下した上一笑に付した。
こういった“反応”は、全国各地で見られるものだ。
これは“我々”のコミュニティによって共有される事実であり、SCP-xxxxの“異常性の一端”を現している可能性がある。
我々には更なる実験や研究が許されない。
……実に不条理だが、我々は“異常性一端”のような曖昧な情報で一喜一憂するしかない。
研究者として、これほど屈辱的な状況は他にあるだろうか。
我々はSCP-xxxxによって齎される被害に対して、指をくわえることしかできないのだ。
ここでひとつ、朗報を伝えよう。
“我々”のメンバーひとりに、SCP-xxxxの“補遺”の一部に干渉しうる“能力”が発現した。
SCP-███が収容違反を起こした事は記憶に新しいが、あの事故が、我々に福音を齎したのだ。
SCP-xxxxの補遺の物語の進行は、その異常性に影響を与えている。
これは、およそ事実と判断して差し支えないものだ。
ならば、“完結”させればいい。
もうすでに、物語が終焉を迎えるための布石は打った。
我々財団職員はその職責に対して、冷静且つ論理的にあたらなければならない。
だが……私は今、興奮を抑えられないでいる。
“彼”はあの髪留めによって、更なるパラノイアへと効率的に溺れてくれることだろう。
それは、彼らの日常の足場を揺るがし、“承”を“転”へと運ぶはずだ。
……しかし、それでもなお結果は予測不能であり、破滅的なリスクが潜む。
自分の生命だけならまだしも、家族や、その他の人間にまで影響を与える可能性もある。
周囲から我々に向けられる不信も避けられないだろう。
……上等ではないか。
我々は財団職員だ。
そのような覚悟、とっくにできているはずだろう?
今、我々が直面しているのは、未曾有の危機への予感だ。
そして、それに対して無知であることの恐怖だ。
……私は、“我々”の行動が“真実”を白日の下に引きずり出す事を確信している。
その過程に犠牲が伴うことは、SCP-xxxxの性質上避けられない。
しかし、躊躇が無知を呼び込む事もまた事実である。
“我々”には、その行動によって如何なる悲劇的な結果が生まれようとも、“完結”へ向けて進み続ける義務がある。
確保、収容、保護。
“我々”は常に真理を探求する研究者であらねばならない。
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この文書は“我々”の性質上、上位者からクラッキングを受ける可能性があります。
その為この文書は、公開から24時間後にサーバー上から完全に削除されます。
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