第2話 異能特務教室での授業
翠は学校とは名ばかりの小さな養護施設の様なボロい建物を見て呆れてしまった。そしてその隣にはこれまたボロい古い旅館があった。
「チッ、政府の奴ら俺みたいな劣等生を劣悪な環境に追いやりやがって。物凄く不快不愉快極まれりだよ。でも姉さんが俺をここで仕事をしろって言った理由はわかったよ。」
そう言って翠はこの学校の講師の服を着た。きっとここで授業を受ける子供達はずっと辛い思いをしてきた筈だ。なら俺みたいな劣等生でも味方になってやらないといけない。それが大人が背負う責任だからだ。翠は教科書を持って教室に入り生徒達を見たそこには12人の生徒達が暗い顔をしながら座っていた。
「初めまして、今日から君たちの担任になった葵翠です。初めに言っておくと俺は異能力を扱う器官が生まれながらに欠陥品の状態で生まれて育ってきた人間です。だからきっと君たちから学ぶ事も多いでしょう。だから共に学んでいきましょう。」
そう言って翠は自己紹介を終えるとそれぞれの生徒達の得意な異能力が事細かに書かれた名簿帳をみて、今日の授業の内容を決める。
角谷誠・得意異能力・変身や分身などの特殊異能
二階堂巧・得意異能力・射撃などの単発特化異能
水上真吾・得意異能力・放出系異能力
森園瑛二・得意異能力・結界系異能力
小山内雄一・得意異能力・属性系統の異能力
鹿宮天馬・得意異能力・移動時間0の斬撃異能力
鎌内士門・得意異能力・剣術と刃物の遠隔異能力
桐谷優香・得意異能力・精神干渉系の異能力
水木光・得意異能力・体術強化系の異能力
蓮見紫苑・得意異能力・物体干渉系の異能力
音海幸果・得意異能力・毒の異能力
石嶺華・得意異能力・治癒異能力
「では今日の授業は僕が決めた2人1組のペアで僕と戦ってもらうよ。じゃあ先ずは鹿宮・鎌内ペア、水上・森園ペア、角谷・水木ペア、二階堂・小山内ペア、音海・石嶺ペア、桐谷・蓮見ペア。順番は好きに決めていいから。僕もちょっと準備するから準備出来たらグラウンドに来てね」
翠は生徒達に準備を促すと自分も教室を出て異能が付与されたガントレットと刀を装備した。その時、プライベートで持ち歩いているデバイスに姉の朱莉からメッセージが届いた。
『今晩、いつものBARに来て欲しい。《新興宗教・楽園の果実》が怪しい動きをしている』
「はぁ《楽園の果実》ね。奴ら中々、尻尾出さないうえに捕まるのはいつも末端の信者だけ。幹部連中は常に逃げおおせてる。危険だな」
翠は姉に了解とメッセージを送りながら嫌な顔をする。
新興宗教・《楽園の果実》表向きは健全な宗教団体を謳ってはいるが裏は真っ黒なテロリスト集団である。異能力を自分達の好きなように使い人を何の躊躇いもなく殺す。そして殺された人間は神に選ばれなかったとか言って正当化する。そして信者達の中にも神に選ばれた特別な者と言って禁忌異能の生贄にする。また組織構成も複雑で末端は唯の兵隊であり死んでも捕まっても問題ない様な者達ばかりが選ばれて幹部は強力な異能力者達が集められ国の優秀な異能力者達ですら手を焼くレベル。そしてこの組織、ボスの正体が未だに掴めていないのだ。危険なテロ活動を繰り返し行われ民間人にも被害は増える一方なのに防戦一方なのは苦しい所である。そして姉がこのタイミングで自分を呼んだという事は何か進展があったのかもしれないし生徒達に危険が及ぶ可能性があるかもしれないという事なので取り急ぎ翠は自分の恩師達に連絡を入れた。
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