チートを色々押し付けられたけど僕は武器創造しか使わない〜便利なチートや魔法はなるべく使わない僕
@vonochang
第1話 転生したら武器を作りたい
夕暮れ、僕は大学から帰宅していた
駅に向かって歩いていると道路に黒い子猫が飛び出していた。
トラック!
このままでは子猫を異世界転生させちゃう!!
猫は驚くとその場に固まってしまうと誰かに聞いた事がある、一か八かで僕は駆け出した。
「危ないっ!」
そう叫んで猫を抱こうとしたら子猫は凄い速さで反転し、元の歩道に逃げていた。
流石、野良として生きてきただけはあるね
目の前に迫るトラック、僕は驚きその場に固まってしまう。
急ブレーキを掛けたトラックが止まって僕に少し触った所でびっくりしてひっくり返った。
視界が暗転して…
➖➖➖
目を開けると教会の祭壇?みたいな所に居た
「目!目が開きました〜」
焦ってるんだかのんびりしてるんだか分からない声がした
「ここは神界ですよ〜、私は最近女神No.2になったファインと言います〜。あなたは転んで命を落としちゃったんですよ〜!でもでも死ぬ予定では無かったから転生させる事になったんです〜」
「トラックに轢かれたんじゃなくて?」
「転んで頭を打っちゃったんですね〜」
子猫は無事、トラックの運転手にも迷惑を掛けなかった、良かった…良かったけど。
「さっきも言ったんですけど、最近女神2位になったんです〜」
フンフンと鼻息が荒い女神様、隙あらば自分語りだ。女神の世界もランキングあるんだ…
目の前に居るのは薄いピンクの少しカールした髪、垂れ目なふわふわ可愛い女神様。
淡い水色のキトンを纏っている。
「それで私が昔作った世界が有って、初めて転生者が来たらその世界に送ってみる様にクルール様に言われたんです〜」
転生の前振りかな?それにしても転んで頭を打っちゃって…か。混乱して会話が頭に入ってこないな。今後の人生だから話聞かないと。
「なるほど!どんな世界なんです?」
「そちらの世界の人は転生への理解が早いですね〜!えっとこの世界は魔法が有ります〜、それと魔物が外の世界から入り込んじゃってますね〜魔法使えますよ〜?私は魔法推しです〜!」
魔法の世界、憧れはあるが。魔物が居て冒険者になるなら魔法より武器だ!
僕は武器への憧れが魔法より強いんだ!
「僕は前世では特技とか無かったんですけど、魔物と戦える能力とか貰えるんですか?」
生き残るには当然チートが欲しい。しかしチートと言っても武器を創造する力が欲しいんだ!あ、後はマジックボックスとか貰えれば…クククッ!
「勿論!最初の転生者ですからね〜サービスしちゃいますよ〜!」
望みの力が貰えるのかな?言ってみるもんだなー。
女神様が両の手を差し出すと光の玉が現れて、僕の体に吸い込まれていく。
「はいっ!無限の魔力です〜えへへ奮発しちゃいました〜」
シュン……急激なテンションの落下。
自分でも分かる、がっかり感、コレジャナイ感。
「えっえっ??お気に召しませんでしたか〜?」
「これ…いりません…」
「え〜〜もう渡しちゃいました〜…」
ファイン様、貴女は女神様でしょう?僕の欲しい力が分かりませんか?
僕の酸っぱい顔を見て、ファイン様はまた両の手を差し出し…
「ふぃ〜超身体強化…えっと無限収納袋〜」
収納袋は有り難い!が…
「むぅ〜聖剣でどうですか〜?これも違う?アイテムクリエイト〜!えっ?惜しい?」
聖剣はいらない、袋にしまっとこ。
「全属性魔法〜!ありゃ遠のいた?魔法クリエイト〜!近いけど遠い?難しいですね〜」
当てっこクイズみたいになってきた。ファイン様は只今絶賛困惑中だ!
僕も困惑している。
「ピコン!分かりました〜ダンジョンクリエイト〜これもいらないと〜…カリスマ!いらないですか〜待ってください、言わないで!当てますから〜」
も〜クリエイトで反応してるでしょ?アイテム、魔法、ダンジョンときたら?分かるでしょ?
「しょ、食料クリエイト?魔眼?etc.etc.また遠くなったですか〜…ハァハァ。クリエイトポーション!」
ダンッ!!思わず床を叩いた僕
「ピイッ!?ち、違いますよね〜勿論分かってます〜…」
いけない、武器の事になると性格が変わってしまう。落ち着いて!僕は冷静、僕は冷静。
「武器ですよ!武器武器!!」
「先程聖剣あげたじゃないですか〜!」
「作りたいんです!ぶ!き!を!!」
「わ、分かってましたよ〜こう見えて女神No.2なんですから〜!武器クリエイト〜!!」
これと袋さえあれば他はいらない。
「武器クリエイトと袋以外返しますよ。一人の転生者にこんなに沢山能力渡しちゃダメじゃないんですか?」
流石に能力を貰いすぎだと思う。後、転生後に成長要素無いのはレベリングマニア(自称)には耐えられない。転生したら少しずつ強くなっていくのが王道?だからね。
「うぅ〜良くないですけど、さっきも言った通り、一度渡すと返品不可なんです〜!クルール様にバレたら…あわわ」
トップの女神様なのかな?そのクルール様に相当怯えている様子。しかし、こっちも成長要素潰されて困るよ。
目の前の女神様は青い顔をしている。僕が悪質なクレーマーみたいになっている。
「えっとそろそろ転生させていただいても?」
気まずいのでここから去りたい。
「待ってください〜力については他の女神には他言無用でお願いします〜」
「多分会う事は無いから大丈夫です!言いません」
「それと、私付きの天使をあなたのサポートに付けます〜!スカーレット〜来なさ〜い!」
女神様が名前を呼ぶと15〜16歳程の美少女がやってきた、全体的に線が細く儚げな印象。
髪は腰まて伸ばされたツインテール、名前の通り髪は赤色。瞳も赤色で少しだけ吊り目だ。胸は控えめなご様子。
「やっと出番が来やがりましたわね!私はスカーレット、見ての通りお嬢様天使をやってますわ!」
「あ、どうも…」
テンションの差を感じる
「私がドカンとサポートしますわ!ガンガン頼って欲しいですわ!」
一人で転生じゃないのか…グイグイ来るスカーレットさん、僕の手を握ってぶんぶんと振っている。
「転生先は辺境伯の統治する国、魔物の侵攻を食い止めている所です〜!そこの鍛冶屋の息子にしましょう〜!えっ?スカーレットは大商人の娘?わ、分かったわ〜!それでは良い転生ライフを〜」
「ちょっと待って下さい!使命とか目的は無いんですか?」
「ん〜使命〜?あ〜魔物をぼちぼち狩って私の世界の平和に貢献してください〜!それでは〜」
「転生したら、なる早で合流しますわよっ!!」
視界が暗転する
目が覚めた時、僕は赤ちゃんだった。
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