　生徒の一人にウィンクされた。なんだ？と思ったがそれきり特に何も無し。不思議に思いつつも板書を連ね、また振り返れば、今度は別の生徒がパチリ。パチリ、パチリと生徒達が次々ウィンクする。意図が分からず慄いていれば、一人の生徒が手を挙げた。

「先生、あの、眩しいのでカーテン閉めてもいいですか？」

　あぁ、確かに今日は日差しが強い。それがどこかに反射しているのかと納得し、いいですよと言いつつ自分も閉めようと動けば上がる悲鳴。見れば半数以上が目を瞑り、他も目をすがめてしまっている。先の生徒がまた手を挙げた。

「先生、すみません。先生は動かないでください。」

　何故？と問えば少し言いにくそうにして、

「その、……先生の額に反射してるんです。」

　そう言った。

　窓際の生徒達がシャッとカーテンを閉めた。

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