テーマ:「軒先」

うちには縁側が無い。

戸を開けてすぐベランダで、床との高さの差は僅か一寸程度あるかどうか。

だから夏になると、けっぴろげだそこで寝転がって、半分軒から出して、半分軒の影で扇風機に当たりながら涼む、なんて事をよくしていた。

ジリジリと足を焼く日とベランダの熱が少し痛いくらいで、対して上は影の中で風に当たって、時にはアイスも食べて少し冷えているくらいで。

ぜいたくだったなぁとふと思い出した。

彼岸の焚き火。少し遠くで上がる花火。ビニルのプール。そしてブランケットと、折り畳んだ座布団。

全部、あの軒先の思い出だ。

久々にあの場所で、何をするでもなくぼぅっとしたいなぁ。

まだまだ暑い日差しに足を投げ出して、あの軒先の影で涼みたいな。

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