　プールは好きだ。学校のプールも地獄のシャワーを抜ければ楽しかったし、市営のプールは近いからこそ何度も連れて行ってもらえて特に好きだった。上がった後のアイスは別格で、乾ききっていない髪を梳かす風のなんと爽やかな事か。

　レジャーランドのプールも好きだ。半ば温泉の様な物もいいが、やはり童心には流れるプール、波のプールが一等楽しかった。

　遊んでいる時も、帰ったその後も。

　プールから帰った夜、からだに残った波や流れの感覚。それを手繰り寄せて目を閉じる。

　ゆら、ゆらと布団が波打つようで、ぷか、ぷかと背中や腕が浮くようで。

　目が覚めて、明日の朝が来たら忘れてしまう、その日限りの夜を泳ぐような感覚が好きだった。

　久々に、味わってみたいなぁ。

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