第5話
「15時……。じゃあ、見るよ?」
「あ、あぁ」
通知は15時に発表された。
どうせ、不合格通知だとは分かっていてもそれでもやっぱり希望があるんじゃないだろうかとどきどきしてしまう。
ごくりと喉が鳴るのと同時に通知が記載されるパソコンのページに飛ぶためのボタンが佐智子によって押された。
………。
怖くて瞑った目を開くことができない。
「お父さん__」
そうか、不合格だったのか__
そりゃあ、そうだよな、90歳のジジイはやっぱりいらないよな。
「合格よ!」
へっ?
閉ざされた瞼が開き、眩しいほどの世界が目の前に広がる。
合格と記載されたパソコンページは明るかった。
夏の太陽の光にも負けないほどに。
「おめでとう、お父さん」
泣く和夫に優しく声をかける佐智子。
和夫は、90歳という長寿で就活し、そして、合格したのだ。
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