月影市中央区・廃ホテルにて
調査報告書・第04号
対象施設:月影市中央区 廃ホテル
調査日:20XX年11月18日
調査班:月影市文化観光課・廃墟調査班
1. 背景
対象の廃ホテルは、かつて温泉街に併設されたリゾートホテルであったが、経営不振により閉鎖された。
閉鎖後、内部や周辺に立ち入った者の一部が、不可解な現象や異常体験を報告している。
今回の調査は、内部状況の確認、過去報告の再現性検証、写真・動画・音声の記録取得を目的として実施された。
2. 調査結果
2-1. 施設状況
外観:建物は老朽化が進み、壁面や屋根には苔やひび割れが目立つ。入口の自動ドアは故障しており、風雨により内部に浸水。
内部:廊下は埃とカビの臭気が充満し、床には水たまりと破損した家具が散乱。エレベーターは使用不可。
部屋:客室には古いベッドや家具が残るが、布団は湿気により変色している。
2-2. 異常現象
廊下の一部で、誰も通っていないはずの場所から、歩行音とドアの開閉音を確認。
客室内の鏡に、調査班以外の人物の影が映り込む。映像を確認すると、人影は数秒間、動きもせず滞在。
廊下の照明が不規則に点滅し、映像には長く伸びた影が確認された。
エレベーターホールには、かすかに話し声のような断片音が録音されている。
2-3. 証言断片
元従業員G(男性・60代)
「閉館後も夜になると、廊下を歩く音や話し声が聞こえた。誰もいないのに、まるで客が歩いているみたいだった」
観光客H(女性・20代)
「窓越しに誰かが立っているように見えた。でも近づくと、そこには誰もいなかった」
3. 総合所見
調査中、廊下・客室・エレベーターホールで断続的な異常を確認。
歩行音や人影、点滅する照明などは、調査班以外の存在を示すものと考えられるが、原因は不明。
異常現象は未解決のまま、公式記録として残す。
4. 備考
本資料は公式調査記録として保管され、無断での閲覧・複製は禁止。
映像・写真資料の一部は劣化または消失しており、全貌確認は不可能。
異常は現在進行中の可能性あり。
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