第35話 荀彧

今回上げた【別れの白菊】は、いつも言ってますが特別思い入れがやはりある話の一つです。


号泣しながら書いたからだと思います


自分の話が素晴らしすぎて号泣したんではなく、三国志は史実があるので、それに対して自分のイメージを常に持っていて、あそこではこういう会話がされたのかな……とか想像をすでにしているからです。


曹操と荀彧の、最後。



うーーーーーーーーん……。



はっきりしているのは、以前言ったように、


「長年忠勤を励んだのに最後上司に冷遇されて死を選ぶ」というラストの悲劇性は同じでも、


そこに込められた意味合いは、

曹操と荀彧

孫権と陸遜では全く違うなということです。



曹操と荀彧には固い絆があった。

私はこれは絶対的に信じている部分です。

確かに曹操の魏公就任は荀彧を絶望させましたが、だからといって共に歩んで来た道が、曹操と荀彧の心の絆は最後まで守ってくれたと思ってる部分があります。



一方孫権と陸遜には固い絆は全く無いです。

あっ というか孫権の方がないです。

陸遜は孫権に対しても呉という国に対しても孫家に対しても100%満点の最高得点最高基準の忠節を示しているので文句なしです。


孫権が、部下の忠義を疑うような最悪の上官だったので、そういう意味で固い絆がこっちには存在しません。


間違いなく二宮の変では孫権が耄碌し、非の無い陸遜を糾弾し、追い詰め、死ぬことでしか事態を収められない所まで追い詰めて、自殺させています。最悪です。



しかしながら……。


荀彧の方は非常に解釈が難しい。


例の、箱についても、諸説あるので。


自殺だとは私も思うんですよね。

ただ、上記の陸遜も私は自殺だと思っていますが、陸遜の自殺については元々「憤死」という謎の死因を提示されたことから「陸遜はずっとピンチヒッター人生歩いて来て、誰かに期待されないとか、誰かの代わりだとか、お前が本命じゃないとか、そんな評価に慣れてて上官に信頼されないくらい屁でもないわと思うし、忍耐力なんか盧江戦でとっくについとるわと思うし、怒りのあまり死ぬくらいなら、孫権のような奴が上司だったらこの時じゃなく怒りで死ぬ機会いっぱいあったわ 陸遜の鋼鉄の心臓舐めんな」って思うので、孫権の耄碌度合いを陸遜が冷静に分析した結果、こいつにはもう言葉で語ってもダメやな。私はもう軍のトップも国政のトップもさせてもらってもう六十まで生きてやるべきこと全部やった ここで生き永らえてこの混乱が続くくらいなら私が死んで国の混乱収めよう それが最後の使命だ って晴れやかに思って迷いなく自刃したと陸遜像から分析するに至ったので、


悲劇性とかもうそんなこっちは感じません。


陸遜は迷いなく生き切りました!!! すごい!!! ✨👏 の気持ちです。





一方……。


作中では、魏公に曹操がもうなっていますが、

実際には曹操は、荀彧の死後、魏公になり、魏王となりました。

死後です。


荀彧との仲がこじれたのが、曹操が「魏公になろうと思う」という意志を表明し始めたあたりだったとされます。


荀彧がこの曹操の動きを非常に嫌ったのは確かですが……


諸説あるので読みにくいのですが、

例の、空の箱を曹操が贈り、それを荀彧が「お前はもう用済みだ」と言われたと解釈して自殺をしたという一例を見るならば、


まあ曹操よくも余計な事したなと思うわけですよシンプルに。

荀彧はもう追い詰められてたんだからそんな止めを刺すようなことは蛇足やろと。


これが本命なら、悲劇です。

荀彧の心にも無念があったのかなと思う。


しかし箱は置いておいてですよ。


魏公就任について、「二人はどこまで腹を割って話したのか」


これが一番重要だと思うのです。


ここが書いてない!!!!!!!!!


ここが残ってない!!!!


つまり想像の余地はここにあるのです!!



腹を割って話せたら、荀彧は仮に自殺だとしても、それは心を決めてのことだと思うので、悲しみよりも達成感、望んでの死ではなかったのかなと思います。



腹を割って話せていなかった場合は、陸遜の時同様、荀彧が「自分の命を懸けて」曹操に魏公についてほしくないということを最後に願ったのかもしれない。



この場合は荀彧というよりも荀攸が可哀想や😭


死んで行く荀彧に何も出来なかったというか、荀彧を死なせてしまった、と彼が知らせを受けた時にどう思ったかとか想像するともう可哀想すぎて想像できない……号泣です


腹を割って話しても、自殺はあり得る。


言うことを言って、話せて、満足し、「私の人生はここで終わりとする」みたいに聡明だからこそ命をそこで絶ってしまった可能性もあります。

特に荀彧も位が高いし、一族が栄えていて結束が固いですからね。

陸遜もこの辺りは発想同じなんですが、


後顧にこの人たちは憂いが無いんですよ。特に自分のプライベートな部分な。


若いけど「やることやったわ」と思ってしまえるくらいこの人たちしっかり結果残して生きている為、その後の世界がこれ以上よくはならないと思ったら死ぬ可能性があります。


だから実は荀彧は心を決めて悔いなく死んでる可能性もある。


しかし、最後の最後で、曹操との心の隙間が埋められず……曹操との間には友情があったと私も思うので、50歳にして、共に歩いて来た親友を失い、孤独のうちに死んだとも考えられる。


私は一番荀彧の死で耐えられないのこれなんですよ!!!


これだけは嫌!!!😭 悲しすぎて!!!


なので、私はせめて「この二人の最後、話すだけは話し尽くして欲しい!! 腹を割って話して欲しい!! それだけできっと荀彧の心の持ちようが全然違うはず……」って思うので、


話すことで、別れて欲しかったのです


このエピソードにはそういう願いが込められているので、


実際にはこの時期死を選んでしまった荀彧の気持ちとかをあれやこれや考えながら書いたので、号泣しながら書いたエピソードです



私は陸遜もそうですが花天月地では自分のロマンを優先して書いていますので、ここには「こうなったら一番嬉しい」という自分の願いを一番書いています。

私が思う、こうであってほしかったというのを書いていますので、曹操と荀彧の最後はこれがいいと思って書きました。


悲しいだけとか、分かり合えないだけとかで終わるの辛すぎる……。


でもここまで話せればきっと。


曹操には惇兄いてくれるし 


荀彧には公達さんいてくれるし


二人の間にはうちは郭嘉が行き来して懸け橋になってくれるし。


さびしいけど、さびしくないかなと。



そんなですね


荀彧は……。本当に最後曹操とどこまで話してかは分からないんですよね。

ただですね……私が少し、思うのは。


曹操が曹丕を後継に選んでるじゃないですか。

曹操は曹丕に対しての言動見る限り、嫌い方半端じゃないんですよ。(曹沖の死を巡っての発言とかは、親としての憎しみに満ちてると思う。こいつにだけは自分の後を継がせたくねえという強い意志を感じる)


まあ曹植にも、司馬さんの考察の所で書いたことありますが、人間溢れる欠点がいっぱいあったので、司馬懿絶対曹植後継反対派やろ……と思うように、まあそういうことがなくても曹植はいずれなんか大きい失敗しでかしてた感じするので、それが大きな要因ではないんですけど。


ただ、曹丕を後継にしたのは非常に私からすると、意外なんですよね。


いや違うんですよ。曹丕文武両道だし、長子なので、曹丕にすればいいんですけど、

曹操がとにかく曹丕を嫌ってるので、曹操ってそういうとこ荀彧の件でも分かる通り譲らない時はほんと譲らないので、曹丕を太子に認めたのはすごく意外で。



……もしかしたらですけど。



荀彧は長子継承を望んでいたので、何か死に臨んで、この辺りに関わってる可能性もあったりしないかなとは思ってます


まあ荀彧、陸遜同様上司に色々要求するタイプでは全く無いので、


何か要求したわけじゃないだろうけど、


魏公就任については曹操は多分、政をしていくうえでどうしても必要だと思ったのでしょう。荀彧と揉めてまでも、得なければならなかった。

そこは譲れなかった。


ただ、魏公では荀彧に対して譲れなかった分の、荀彧への思いが、曹丕のとこに来たんじゃないかな……とかは私はちょっと思ったりします。


ほら曹丕に対しては曹操「俺はお前を全然好きじゃない」とか目を見て言ってくるタイプの父親じゃないですか(曹丕に対して、というのが顕著な部分。曹操息子の中で愛する子は本当に愛情深さとかも見せてるので、子供全般愛せない人ではないのに、曹丕には本当に冷徹なのよ どんだけ嫌ってたんだと思うくらい)


でも曹操からしてみると、

「俺はお前を全然好きじゃないけど、死んだ荀彧が長子継承を望んでたからお前に位をやる」

という発想は、かなり自分の憎しみを静めさせるいい逃げ道だったんじゃないかなと思う部分はあるんですよ。


理由になる気がする。


それがないと、曹丕が自分が評価されたり愛されてるから後継になれたとか思う言動したら無茶苦茶曹操キレそうだもんな 曹沖の時のこととか考えると有り得る 


ただ、


「荀彧がお前を望んでいたから」


というのは、曹丕を嫌う曹操にとって、かなりの良き言い訳になりそう。




荀彧と曹操は、深い絆があったと思います。


史実は冷酷に「もう荀彧が用済みだったから曹操が追い詰めて自殺に追いやったんだろう」と事実だけを述べたりもしますが、


私からすると、深い絆を持っていた二人がいて、片方が死んだら、

死して尚、その人はもう一人の人に、必ず影響は及ぼすと思いますよ。

用済みで追い詰めて自殺させたとしてもです。


その人の葬儀、


その人が死んだことを実感した時に、


絆があれば何かを感じたはずです。




そういう意味では死して尚、荀彧は曹操に影響は及ぼし続けたと思いますよ。




まあでも荀彧私は大好きなのでまだまだ曹丕の側で仕事してもらいます😊✨

やった!


ちなみに史実では50歳で荀彧亡くなっていますが、

こちらの荀彧は三十後半くらいのイメージで書いてる

公達さんは荀彧の年上の甥なので、四十歳前半なイメージです


荀彧は特に清廉の士なので実年齢より若く見えるイメージある

瞳が明るそう


公達さんは笑顔が温かそう🥰


くそう……荀彧の実際の顔を見てみたかった……。


何故三国時代に写真ないのだ くやしい。

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