第28話 孫権の妹

呉蜀同盟の基盤となった孫権の妹なんですが、


この人がかなり謎めいていまして……


謎めいているというか記録が例によってまともに残っていないんですよね


孫家の末の姫なので、父や兄たちに可愛がられてかなり奔放に育った人らしく、劉備のもとに嫁いだ時も郷に入っては郷に従えどころか自国から多くの女兵士を連れてって部屋の前を守らせていたとも言われている女性なんですが、


普通は夫の劉備が「やめなさい」と言えばそんなことやめたはずなので

劉備が要するに「やめなさい」と言わなかったか、やめなさいと言われても彼女の方がやめなかったのか、いずれにせよ蜀に行っても呉から連れて行った自分の護衛を引き連れて行動しているようなとこがあったみたいで、気位の高い女性であったことは確かなようです。


孫夫人は呉蜀同盟決裂後、呉に帰りました


でも、この人は本当に明確な記述が少なく、「呉蜀」が揉め合っていた時に、その政治のやり取りの為に利用された女性だからなのか、最終的な記述として蜀の劉備の方にも正式には劉備の妻としての立伝はなく、


かといって呉の方にも、孫家の姫なのにちゃんとした記述はなかったそうです


彼女自身の意志も当然後世に残っておらず、


何故か、呉に無事帰郷出来たのに、その後一切歴史から消えてしまった女性です。



私は昔から三国志を短編で色んなキャラの考察しながら書いて来たのですが、

実は孫夫人(うちでは孫黎)は、


政略結婚をして劉備に嫁いで、


劉備を好きになって蜀に残るパターンと

母国である呉への想いの方が強く、呉蜀同盟が決裂して戦闘になった時に、呉の将官が討たれそうになった時、彼らを守ろうとして劉備の首を狙った所を、うちでは劉備、孫黎どちらもの護衛である趙雲に斬られるという、最後まで呉の姫として振る舞うパターン、


二種類を書いたことがあります


実は自分的にはどっちも気に入ってて、


この花天月地をどっちにするかも色々考えましたが、一応こちらはすでに決まっています。


でも本当に記録が曖昧で諸説あったり、創作があったりして定まらないのですが、


一説には、孫夫人は帰郷する時に劉備の息子である劉禅を呉に連れ帰ろうとし、諸葛亮が趙雲に命じてこれを辛くも止めたというような話もあり、


これ事実だったらすげぇよな たったひとりで蜀に嫁いで、堂々と帰って来るどころか劉備の息子まで連れ帰ろうとしたってどんな豪気な姫なんだよって思うんだけど、


結局これは阻止されましたので、


あんまり事実だったのかどうかは分かりません。


明確に劉禅が呉に連れて来られたって記述がもし残っていたら、孫夫人が連れ帰ったのは事実なので、やはり政略結婚として蜀に行き、心は全く揺るがず呉の人間だったということになります。


でもその場合は、呉に帰った後の記述がちょっとくらい残っていいんじゃねえかなと思ったりもするんですよね


陸遜の「憤死」という表現からも分かるように、呉にとって創始の王である孫権の威光はMAXでありますから(まあこいつが創始の王であり滅亡のきっかけも作っとるがな)、孫権の威光にあまりにも害を成すような記述は、破壊されて破棄されてる可能性も多々あります。曖昧にされてたり。


私は陸遜のことがあるので孫権を全く信用していないので、

それ考えるとやはり孫夫人も呉に帰ったは帰ったけど、やっぱり一度蜀に行ったことで、そちらにも女としての心は少し残り、そういう部分で、それ以後呉蜀が夷陵まで行き着くことを考えると、そういう孫権とは段々と不仲になって行った可能性もあるよなと思うのです


あくまでも昔の話ではありますが、


女性は戦乱の世でもかなり特殊な考え方をすることがあるので、

(特殊なのは戦乱の世の常識で、彼女達からすると人間として当然の考え方なのかもしれないけれど)


劉備たちに想いを残したことで、彼らと戦をしないで欲しいというようなことを何度か孫権に言ううちに、呉ではもしかしたら疎まれて行ったのかもしれないです。


そうなると公の場で余計な事しないように幽閉されるか、

どっかの豪族と、とっとと再婚させられ厄介払いをされるかとかになると思うので、いずれにせよ呉に帰った後、記述が一切ないというのは、あまり帰郷した後も彼女が長く平和に暮らしていたイメージはあんまり持てません。


劉備の元にも戻れず、呉にも疎まれ、


行き場が無くなり、孤独で自刃したのかな、とかもちょっと考えますね……。


孫夫人はつまり呉蜀を明確に行き来しているのですが、

最終的に呉と蜀が同盟決裂して戦ってしまうので、彼女の心が蜀と呉、どちらに最後は共にあったかが分からないのです。


しかしながら歴史家は頭を抱えようと、

小説家からするとこの辺りは色んな想像や創作のし甲斐があって、とても楽しい部分ですね


でも私なら呉なら呉、蜀なら蜀、どっちかを明確に選んで突き抜けて欲しい女性だなって思います。



例の劉禅のエピソードも、

本気で劉禅を呉の為に連れ帰るのなら、阻止しようと出て来た趙雲とかとかなり本気で遣り合おうとしたってことか? と思ったりするとかなりカッコいい



でも「連れ帰れ」と命令され、迷いながら連れて来たけど、彼女自身が「本当は連れ帰りたくない」と思っていたとしたら、趙雲にすんなり渡しただろうし、心は蜀や劉備の方にあるから、別れのシーンはかなり感傷的になるのかなと思います



この人が呉で兄たちに可愛がられながら幸せに育って来たことだけは確かなようですが、一度政略結婚として外界に出された時に、女性の心や世界の見方がどう変わるか、そういう部分が書けますね。



蜀から船で呉に戻って来た時……。


建業が見えて来た時彼女の心に浮かんだのは懐かしい嬉しさや安堵だったのか。


慣れ親しんだ愛しい街並みに見えたのか、見えなかったのか


おい~ 誰か話聞いて記録ちゃんと残しておいてよね……





今戦闘シーンに入ってますのでこういう時は間を空けると書けなくなったりテンションが一致しなくなったりしますので当分書くことに集中したいと思います

この戦いに入ると書くことだけに集中していく感じがとても好き

一秒一秒が惜しい。

学生で言うとテスト期間中みたいなものです

この時期は集中して書き続けましょう✨




次行くぞ―!!!!🔥🔥🔥

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る