第28話・2006 .04 .29/23:56『魚 』

俺は魚になりたい・・


魚になって、自由に泳ぎたい。


空を・・大地を・・宇宙を・・・。


とかひとりで叫んでる夢を見た。



大丈夫か俺!



今日は比呂と飯食いにいった。そしたらそこの魚介のパスタが卒倒しそうなほど美味かった。比呂のから揚げも美味そうだったので、料理をシェアしてくったんだけど、比呂と食うとなんか、何でも美味い。今日は比呂と色々なことを語れた。


比呂からCDをもらって、聴いたらこれがまた最高よくて『ライブいきたい』とメールをしたら『ずっと前に解散してる』だって。・・・・そ・・そうなのか。がくり。


俺さ、無視されてた頃さ・・遊ぶ友達もいなくてさ、超絶暇だったんだよね。っていうか・・当時は地獄みたいに辛い時間だったわけだけどさ・・ヒマ時間=絶望的に悩みに集中せざるをえない時間だったから・・でも今思うと、結局あのときの俺は、ただ悩んでるだけで何もしてなかったからヒマだったっていうことなんだろうね。・・・意味不明。


でもさ・・・あの暇な時間を、音楽に注いでたらさ、人生が変わってたかもしれないよ。井の中の蛙を、自分の人生を持って体感する。井戸の外はすげえ明るくて、出会うべき友達にあふれていたぜ!


なんにせよ今の俺は幸せだ。これから何度も井戸にぶち落ちるだろう。でも俺は井戸の中の暗闇を熟知してる上に井戸の外の世界の存在もわかってる。あの頃ダラダラと悩み続けてたヒマ時間の蓄積は無駄でもなんでもなかった。



だってそのさなかにいた俺にとって、あの日々は『暇』なんかじゃなく『地獄』だったんだ。地獄にいると、顔を上げて空を見る気力なんかなくなるんだよ。誰かに名前を呼ばれでもしないと。


・・・・俺の名前は呼ばれた。だから空を見ることができた。差し伸べてくれる手を掴んだ。そして今の俺がいる。希望とか夢とか、そんな言葉しか浮かんでこねえよ。明日も比呂と遊べたらいいなーー!!

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