第2話 ヴィヴァルディ
ちなみにヴェネツィア出身の音楽家というと私は真っ先に思い浮かぶのがヴィヴァルディさんなんですが、彼は庶民の出自だったので、その出自に関わらず広く人々と交わりながら生きていくには聖職者になるのがいいと思って、十代の頃教会に属し、二十代半ばで司祭になったらしいです。赤毛だったことから「赤毛の司祭」と呼ばれていたとか。
ヴィヴァルディさんの音楽と聞いて、何を思い浮かべられるでしょうか。
私はやっぱり「四季」なんですが、ヴィヴァルディさんの曲を聞いていると、一つ他の音楽家とは違う特徴があると個人的には思っています。
それは、彼の音楽には光とか、鳥の声とか、自然の風景のニュアンスが入ってる気がすること。
ヴィヴァルディさんはどうやら鳥好きだったらしく、実際「かっこう」「ごしきひわ」という鳥をテーマにした曲も作っていて、それが本当にぴよぴよとフルートやリコーダーでさえずっていて可愛らしいのです。鳥の模倣と言えば事務的な表現ですが、旋律が愛らしく綺麗なので、私はヴィヴァルディさんの鳥への愛情も感じるんですよね。
そして「聖ロレンツォの祝日のために」など、教会の祝日のために作った曲は美しく、優しい旋律で、彼がどのような司祭として教会で音楽を奏で人々に接していたか、イメージ出来る気がします
自然への憧憬と、光を常に感じさせる明るいサウンドとかは、なんとなく海と干潟を身近に暮らしていたヴェネツィアという風土から来ているのかもしれません。
ちなみに「四季」の中でもふんだんにヴィヴァルディさんの大好きな鳥さんがぴよぴよあちこちでさえずっているのが分かってとても可愛い。
ヴィヴァルディさんに「今度の新曲よろしくね✨」って譜面渡された音楽家絶対「おっ、ヴィヴァルディさん今度も鳥ぴよぴよ言ってますね!」「言ってるよー。俺鳥好きだもん」とかいうやり取りしてたんじゃないだろうか……
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