第15話 対面

 校長は、来栖をソファーにかけるように促し、

「来栖先生、こちらは中田さんです。」

「あなたが、中田さんの奥さんと、不適切な関係をもっている、とおっしゃっています。本当ですか。」

「ええ?中田?ああ、美月さんのご主人ですか。どうも。」

「どうなんですか?来栖先生。」

 校長の問いに

「私と美月さんは、美術館に行っただけです。不適切な関係などではありませんが。」

「この写真は、どう説明しますか?」

 校長の問いに、

「ああ、これは名古屋の美術館てゴッホ展に行った時です。美月さんが転びそうになったので助けたんですよ。」

 修斗は、

「そんな話、誰が信用すると思いますか。言い逃れするつもりですか。」

「言い逃れ?まさか。私と美月さんは、美術館に数回一緒に行っただけですよ。無理に誘ったりしてませんし、なんの問題もありません。」

 修斗は、ふてぶてしい来栖の態度に、

「何もなかったって言い張っていますけど、何もなかったって証明できますか。」

「そ、そんなのできるわけないでしょ。何もないんだから。」

 修斗は、校長に向き直った。

「この人は、自分のしたことの何が問題かも分かっていないし、何も反省していない。この件は、教育委員会に通告させてもらいます。」

 校長は、慌てて、

「ちょ、ちょっとお待ちください。来栖先生、きちんと謝罪できませんか。」

「校長先生は、私のことを信用できないんですか?」

「そ、それは・・。」

「じゃあ、失礼します。」

 修斗は、席を立ち、校長室を後にした。教頭が追いかけてきて、

「あ、あのう、きちんと事実確認をして、お知らせしますので・・・。」

「結構です。」

 修斗は、踵を返して玄関から出て行った。

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