第7話「削除■れた■ずの声」


◇◆◇


そして足早にその場から逃げ去った、

夜、佐久間蓮のスマホが唐突に震えた。


画面を見れば――見覚えのない通知。


 《#諸説あり》


 《新しい書き込みがあります》


「……は?こんな掲示板、

ブックマークした覚えなんてないのに」


リンクを開くと、

黒い背景に白文字でスレッドが並んでいた。


 一番上には、こう書かれている。


 ――『削除■■た■ずの音声』


興味半分、不安半分でスレッドを

開いた瞬間、

耳元で「ブツッ」とノイズが走った。


イヤホンも付けていないのに、

まるで脳の奥へ

直接差し込まれるような異音。


そして、再生ボタンも押していないのに、

スマホのスピーカーから女の声が流れ出す。


『……き、いてる……の?』


声は、震えている。

だが、その震えが恐怖によるものなのか、

あるいは必死の訴えなのかは

わからなかった。


『……私……■■■から……

 出■■ない……』


「誰だ……?」

 思わず問い返した。


返事の代わりに、

画面に文字が浮かび上がった。


 ――【この音■は、削除され■■た】


 だが声はまだ止まらない。


『……次は……■なた……』


 ブツッ。


 スマホの電源が勝手に落ちた。


真っ暗な部屋に、急に重たい沈黙が訪れる。


 だが――佐久間蓮は気づいた。


スマホからではない。

耳元で、

かすかに続きの声が囁かれていることに。


『……ほんとうは、■ってるんでしょ……

この■説の舞台が……ここだ■て……』


 心臓が跳ねる。

 冷汗が背中をつたう。


佐久■蓮……■■■■?■■、

■人公は、もう認めざるを得なかった。


――自分が■む町が、

例■■呪いの■■」の

舞台そのも?のだ?とい?うことを?

ゆそめりののねのぴ?!



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