もしくは柘榴で始まる冬

黒井夜(くろい よる)

きっかけ

2024年8月11日 ██新聞(全国紙)朝刊

父親殺害容疑で14歳長男を逮捕 庭作業中に口論、石で殴打か



 10日午前、███県██市の自宅で倒れていた会社員、寺岡てらおか佳人よしひとさん(45)が死亡した事件で、県警██署は同日、殺人の疑いで同居する長男の中学2年生(14)を逮捕した。長男は「口論になってカッとなり、思わず庭にあった石で殴ってしまった」と容疑を認めているという。


 捜査関係者によると、妻(43)が午前11時すぎに買い物から帰宅したところ、庭先で寺岡さんが頭部から血を流して倒れており、近くで長男が座り込んでいた。妻が119番通報し、寺岡さんは病院に搬送されたが死亡が確認された。複数の外傷があり、死因は頭部からの失血死とみられる。司法解剖して詳しい死因を調べる。


 妻の説明では、この日の午前中、寺岡さんと長男は庭の掃除や整備をしていた。長男は調べに対し「作業中に父に注意され、言い争いになった。腹が立って近くにあった大きめの石で頭を殴った」と供述。現場には散水用のホースや、熱中症対策として置かれていた水と塩飴が残されていたという。


 寺岡さんは会社員で、近隣住民は「休日はよく庭の手入れをしていた。あいさつもきちんとする穏やかな人だった」と話す。長男については「普段はおとなしい印象だった」という。県警によれば、家庭内での虐待の確認は現時点でない。


 県警は、口論に至った具体的経緯や日常的な確執の有無、石の入手経路や犯行時の状況を詳しく調べている。学校関係者への聴取も進め、生活状況の把握を急ぐ。



〈memo〉

「思わず庭にあった石で殴ってしまった」

「複数の外傷」

「頭部からの失血死」

要確認

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