第2話 ウサギ様達

 私は、結婚してから、ウサギを飼いました。というより妻が買ってきたのです。初代はミカエルと名付けました。とにかくウサギ、ミカエルは、当初家の中放し飼いにしたものの、壁を四六時中齧って穴をあけかねない状態だったので、遊ばせる時以外はペットサークルに入れることにしました。ある日、夜電話、固定電話、当時は携帯はまだ珍しい存在でした、が鳴り響きました。ミカエルは、その程度の音で驚く子ではなかったのですが、その時は突然ペットサークルに中から体当たり、1mほど動かしてしまいました。

 その電話は父の死を知らせる電話でした。


 そのミカエルは、8歳半で死に、ほどなくして2代目のウサギ、当初は果物からアンズ(杏子)としたのですが、どうも発音がしにくいのでアンジュ(フランス語で天使)と名付けました。

 ある日、トイレのドアを空けてでようとすると、ドンと何かにあたりました。見てみると、アンジュがいました。

「アンジュ。ごめんね。」

と言ってドアを引くと、アンジュはそのまま直進、妻が風呂から出て着衣中の脱衣室に。そして私が、リビングに入ると小屋の中にはアンジュがいました。

「?」

 妻に確認すると、アンジュが脱衣室にはいってなんかきていない、とのこと。

 私が感じて、見たアンジュはなんだったのか?

 ちなみにアンジュは5歳半で死にました。

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