とても心に優しく響く、美しい物語でした。
- ★★★ Excellent!!!
文字数は少ないものの、音楽と美術をテーマに、三人の繊細な感情が巧みに、そして美しく表現されていました。
特に印象的だったのは、ハルトとユウキがそれぞれ音楽と絵を通じてアスカへの想いを表現していく比喩的な描写です。ユウキの葛藤によって絵から色が失われていく場面は切なく、また、アスカがどちらも選ばずに旅立つという決断にも強い説得力がありました。
最終的に、三人がそれぞれの道で成功を収め、互いの存在が響き合う「カルテット」として再会する結末には感動しました。物語冒頭の伏線が見事に回収され、読後感はとても温かいものとなりました。