整備工場再取材
### 整備工場取材録音
(2025年9月8日 白井誠 記録)
***
白井:
「前回はご協力、ありがとうございました。本日はまた他の方々からもぜひお話を伺いたく。あれから不調車両の件数など、変化はありましたか?」
サービスマネージャー:
「ここ数日で増えましたね。同じ型番のコントロールユニットを使った車両ばかりです。作業日報も毎日何件かエラー記録が出てきます。」
白井:
「今日はどんな症状が?」
整備士:
「朝イチは“エンジン警告灯が消えない”って入庫が3件。調べても原因不明で…再起動しても消えず、データ診断機が途中で固まる。まさか機械が反応しなくなるなんて……今まで経験ないですね。」
(作業場でエンジンをかけている音。スタッフが車内のモニター画面を確認しながら)
他スタッフ:
「小さい異音が止まらないって車両もありました。たしかに…今、ボンネットの下から“ピィ…”って……。」
サービスマネージャー:
「実は、担当が“車内で急に誰かの声がした”って言って、少し休ませてます。本人は『半分夢みたいだった』と言ってますが。」
白井:
「整備記録やカルテに変化は?」
整備士:
「記録、重複や消えてる部分が増えています。どこかで上書きミスかと思ったけど…他の箇所も同じで。なぜか入力も消えたり。」
(工場の鉄扉が遠くでバタンと閉まる音)
サービスマネージャー:
「正直、作業していると落ち着かない。…以前はこんなことなかったのに。シャッターの奥で“寒気”みたいなのを感じる時が増えました。」
白井:
「工場の空気に違和感がある、と?」
整備士:
「そうです。普通なら作業着が汗でビッショリ濡れるような気温なのに、車両を触っている手が寒くて震えることも…。自分だけじゃないはずです。」
サービスマネージャー:
「あの⋯⋯」
白井:
「なんでしょう?」
サービスマネージャー:
「⋯⋯この取材、前にも受けませんでしたか?」
白井:
「はい、夢の中で。」
(録音終了)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます