第05話 日ノ本の原風景と統治体制
[newpage]#01 野焼きに始まる一年
雪解けの時期、雪が解けた田圃で、畦にはシロツメクサが広がっていって、野焼きが始まります。冬の終焉で、梅花が咲いて匂い立つ頃、川の水位が徐々に上昇し、水路に水が溢れるように流れていきます。桜が咲く頃に春の山菜を摘んで、溢れる水が田圃を水田へと変えていきます。
村人全員が動員されるように、田植えが始まって、雑草抜きや気温に合わせた、水位調整をしながら、稲の飼育を進めていきます。
秋となり、稲穂が重く垂れさがる頃、村人全員が動員されるように、稲刈りが始まり、稲穂を干す風景が広がっていきます。水路の管理、田植えや稲刈りといった大規模作業は、一つの家では大変なので、村人全員で対応する、共同体社会が形成されていきます。
共同体社会の基盤が、氏神氏子という、神社を中心とした組織体制の構築であり、祭りや祭祀を進めるため、共同作業を効率化し、格式の確立、日本のムラ社会が始まっていきます。
奈良県の明日香村に観光に行くと、昔ながらの原風景が、季節季節に合わせて広がっています。記憶文明による征覇事業は、日本人が持つ“心の故郷”を、記憶の中に幻想として描き出した結果です。
記憶文明によって、記憶を塗り替えて、日本の原風景と日本人が確立します。
[newpage]#02 習慣による、統治体制の確立
記憶文明では、法は明確化されるのではなく、ケースバイケースという形で、習慣の中で形成されていきます。祭り等の祭祀を行う時に、協力体制を確立し、組織化を進めていく時、
コ〇ナによって、令和日本でも噴出してしましましたが、崇神帝の日本征覇は、疫病対策でもあったため、疫病に対して日本人が過剰反応する結果となった。神社を中心に共同体を形成し、衛生管理を互いに監視し合うことで、確立していく体制が、日本の衛生管理体制であることが理解できます。記憶による統治とは、同調圧力によって、形成されていきます。
日本の統治体制が、本質的に属人性が高くなるのは、信頼が組織ではなく、人に対して、形成される結果です。ムラの統治は、同調圧力と集団制裁によって形成されて、処分されます。
処分方法は、無視や仲間外れ、村八分、集団制裁、追放処分という形で、形成されています。日本における、イジメは、ムラ社会における、制裁方法に端を発しています。イジメというのは、集団が統治を必要とする限り、同調しない人間に対して、許容と反発が仲間の中で発生し、許容できなくなった結果として発生します。
[newpage]#03 お祭りは、氏子の組織化であり、
お祭りは楽しみでもあり、ムラの一員として、
冬至より、立春の間に、正月が来る。
正月には、氏子による初詣があり、氏子を迎える支度を、冬至より進めていくことになる。師走が忙しいのは、氏子を迎える準備を、氏子総出で、進めていくためでもある。
年末に行われる、大掃除は、衛生管理の一環であり、家屋の修繕や補修、神社の修繕や補修も、大掃除の時期に実施される。年末の大掃除は、穢れを祓う儀でもあり、人の闇が放つ瘴気を祓う行為となる。
課題や問題を、神前にて、解決していくことも、年末行事となる。
正月は、年を越して、年始を迎える行事であり、無病息災を願う祀りごととなる。
縄文期には、祖霊神を歳神として祀っていた。柳田國男によれば、従来は、祖霊神、一年が例年通りとなるように願う暦の神、無病息災や五穀豊穣を願う神、様々な神々が、習合して年神という形を形成していった。
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