幼馴染みに振られて人間不信になった俺だが、後輩のアイドルにアピールされる

長濱こうき(元作家を目指す浪人生)

第1話

まるで俺は主人公のような感じがした。美少女の幼馴染みがいて、しかもその幼馴染みとはよく話して仲がいい。青春とはなんて素晴らしいものなのだろうか?


俺は青春のど真ん中にいると言っても過言ではないだろう。俺はどんだけ前世に徳を積んだんだろうな。そして今日俺は告白をして、付き合あうのだ。そう思うと、にやにやが止まらない。


なんとかにやけちゃいそうなのを俺は抑えて、授業を受けてたら、あっという間に放課後になった。そして俺は告白の定番である屋上で梨紗を待った。ここを俺の輝かしい青春の一部にする。


「ごめん待った?」


「いや今さっき来たところだから、大丈夫だ」


本当は授業が終わってすぐに屋上に来たんだが。逸る気持ちが抑えられなくてな。ここで付き合えれば俺は数少ない友人に自慢できることだろう。


「それで話ってなにかな?」


俺は一気に緊張するのが分かる。これが告白するってことか。これをカップルになったやつは通ってきたのか。今ならカップルの奴らを尊敬できそうだ。


それはさておき早く告白をして付き合うか。


「俺と付き合ってください!」


俺は片手をだして、頭を下げる。告白のど定番である告白の仕方である。時間が流れる。それでも梨紗は俺の手を取ろうとしない。


なんでだ。俺の予想ならとっくにもう手を取ってもおかしくないんだが。まさか振られる?!


いやそんなことはありえない。どんだけ長い時間梨紗と一緒に過ごしたと思ってるんだ。小学生の頃から少し話をして、中学生になり一気に距離が縮まって、よく出掛けたり、学校でも二人でいることが多くなった。


だから振られるなどあり得ないはずなのだ。しかし現実は無情だった。


「ごめんね、透は友達としか見れないの。これから大切な幼馴染みでいようね?」


俺は愕然とした。振られた?あんだけ長く一緒にいて、俺にだけにあの可愛い笑顔など見せてくれたのに?


俺はしばらく動けなかった。あまりに予想外のことになってだ。そうしていると、梨紗は話は終わりだねと言って、じゃあねと言って去っていった。


俺はしばらく夏のはずなのに、肌寒い風が俺のほほに当たる気がした。


数分か数十分経ったのか分からないが、俺は現実を受け入れて、とぼとぼと帰宅をした。数日すれば立ち直れるはずだと思い、家に着くと、ベッドに横になり、寝た。


それから数日経ったが、立ち直れず俺は自分がなんで振られて、何が悪いのかをずっと考えていた。やっぱり顔だろうか。梨紗はイケメン好きだしな。ジニーズのメンバーを応援してるくらいだし。でも他の男よりは俺は親しかったはずだ。やはり振られた理由が分からない。


そんなことを思ってるとあっという間に授業が全部終わり、放課後になった。俺はラーメンでも食べて気分を紛らわすかと思い、バックに参考書を詰め込んで、クラスをでた。


「やっぱり気分が落ちてるときは辛味噌ラーメンだよな。お金はいくらもっていたっけ?スイカじゃ買えないから、千円あるといいんだが」


俺はそう思い、あまり学校から離れていないくらいの距離でバックから財布を探した。だが見つからない。そう言えば財布机の中にいれぱっなしだったわ。


「戻るのめんどくさいなぁー。でもラーメンは食べたいし。戻るか」


俺は学校に歩を進めた。周りからは俺のどんよりした雰囲気を見て、指を指して笑っていた。そんなに情けない雰囲気をだしているのか。まぁ振られると思ってなかったのに振られたらこうなるわな。


そして学校に着くと、俺は教室に向かった。


教室に着くと、梨紗の声がした。俺は咄嗟に隠れて、何を話しているか盗み聞きをしていた。もしかしたら振られた理由が分かるかもしれないしな。


「マジで透キモいんだけど、私があんな陰キャと付き合うわけないじゃん」


どう聞いても梨紗の声だった。俺キモがられていたのか?それじゃなんで俺と親しくしてくれたんだよ。


「確かにね。梨紗の話を聞いた感じだと脈ないと感じていたけど、何でじゃあ百瀬と親しくしていたの?」


「単純に男避けに使っていたのよ。まだどんな男とも親しくなかったとき、告白されまくってうざかったから、それなら親しい男を作れば告白されないんじゃ?と思って、女子からも嫉妬されない透を選んだのよ。それで勘違いされるとはね」


俺はその言葉を聞いた瞬間財布のことは忘れて、廊下を涙を流しながら、走って去っていった。


「ただの男避けだなんて、俺だから優しくしてくれると思っていたのに、ただの勘違いだったのかよ」


始めての失恋で俺は重症な心の傷をおった。スイカは別にあるから、とりあえず帰ることはできるのでそのまんま駅に向かおうとしたが、たまたま公園が目に入り、そこで気分を落ち着かせようとと公園に入った。


ベンチに座ると、俺は涙をボロボロ流していた。くそ結局地味だから、俺が選ばれただけで、そこに特別な意味はなかった。むしろ選ばれた瞬間から脈なしだということだろう。


「これなら恋をするんじゃなかった。女性不信になった」


そんなことを呟くと、ほほに冷たい飲み物を当てられた。


「透先輩大丈夫?」


そこにいたのはるなもだった。テレビの収録帰りなのか、私服だった。


「大丈夫に見えるか?」


「見えないね。何があったの?」


「ちょっとショッキングなことが起こったんだよ」


「ふぅーんそうなんだ。それなら私が癒してあげるね」


そう言って、るなもは俺の頭をなで始めた。

 

「どんなことがあっても私は透先輩の味方だよ。だからいつでも甘えてもいいからね。透先輩は笑顔が似合うんだから」


そこから俺は涙を流し、るなもの暖かみを感じた。それでも女性不信は治りそうになかったが。だがここから俺とアイドルで後輩であるるなもとの距離が縮まり、やがて牽かれていくー










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