いつも私の隣で眠る幼馴染みくんに贈る言葉です

冰藍雷夏『旧名は雷電』

第1話 幼馴染み君。おはようございます。元気出して下さいよ~! 小学生の思い出・春休み記録帳より抜粋

//SE ピッキングして窓を開ける。(バギッ! パリンッ!)


「ほっと……おはようございますってっ! 完璧なピッキング完了です。やっぱりまだ眠っているんですね。幼馴染み君」


//SE 静かにベッドに近付いていく。(ギシッギシッ)


「そろりそろりと………本当。昔から可愛い寝顔ですね君は失恋したからって、ずっと寝てないで下さいよ。心配するじゃないですか。よいしょっと」


//SE ゴロンっとベッドに寝っ転がる。(パフッ)


「………もう朝ですよ。いいえそろそろお昼になっちゃいますよ……イタズラしちゃいますよ……元気出して下さいよ」


//SE 寝てる幼馴染みの前髪をさする。(サラッ)


「卒業式の時に振られからって落ち込み過ぎですよ……だから昔に言ったじゃないですか? 黒髪よりも茶髪の女の子に好みにした方が幸せになれるって。何で黒髪にしたんですか? 何でなんで~!」


//SE 耳元で優しくささやく。(カサッ)

//SE その囁きで寝返りをうって壁側に身体を向ける彼。(ズサッ)


「ふっ……これは重傷ですね。治療がありますね。安心して下さい。これからは毎朝毎朝。君の部屋に侵入。ベッドに侵入。耳元でリハビリ?……いいえ洗脳してあげますからね。長く長く続けて私色に染めてあげますよ。幼馴染み君。覚悟して下さいよ」


//SE 眠っている幼馴染み君の耳は甘噛あまがみする。(ハムハム)


「あむあむ……耳朶みみたぶあむあむ……起きなしゃい。世にも珍しい耳噛みプレイ特と堪能して下さ……」


//SE 起きた幼馴染み君に強烈なデコピンを喰らわせる。(バチゴンッ!)


「いだぁぃですっ! 痛すぎデスッ!………つっぅぅ!! 何するんですか。幼馴染み君っ!」


//SE そこからの軽い連続脳天チョップ炸裂。(バチコンッ! バチコンッ!!)


「や、止めて下さい。いくら私の頭が石頭だって。そんな軽くチョップしても効かな……う、嘘ですっ! 嘘です~! 効いてます。地味に効きまくってますから。お止めください~!」


//SE 幼馴染みは優しく頭をでる。(サスサス)


「そ、そうですよ。起こしに来てくれてありかどうですか?………い、今更。そうやって頭を優しく良い子良い子したからって、私が許すとでも………思っているですか? 私を心の底から信頼しているですか?……な、何いきなり告白してくるんですか。そんなんで私の不動明王みたいな心が揺らぐとでも思ってるんですか? あっ! ちょっとっ! そんな頭を優しくでしないで下さい」


//SE 幼馴染みの妹がフライパンとおたまで轟音を鳴らす(ガンガンガンガンッ!)


「わきゅ~! ほ、ほら。妹ちゃんも起こしてくれてますよ。下、下に降りましょう。それで一緒に朝食食べに行きましょうよ……てっ! 何で寝惚ねぼけて私をお姫様抱っこしてるんですかっ! はい? 妹さんに私がピッキングして君の部屋に入った事を言うですか? だから逃げない為にお姫様抱っこですか?……い、いやですーっ! は、離して下さいっ! 幼馴染みく~ん!」


//SE お姫様抱っこされてる侵入者にドアを開けさせる。(ガチャッ!)


「うぅぅ//// 恥ずかしいですよ~! 私が悪かったから許して下さい。幼馴染み君。私は……私は元気がない君の為に、元気になってもらう為に強行手段で……へ? 私の気持ち分かっている?……それって」


//SE 廊下を歩く音(ギシギシ……)

//SE 幼馴染みの脳天に軽くチョップする(パチコンッ!)

//SE 幼馴染み君が床に倒れて……(ドサッ!)

//SE その上に侵入者は向かい合う様に倒れる。(ボサッ!)


「…………やっぱり鈍感野郎さんですね。君は。まぁ、良いです。これからじっくりと調教?……いいえ。私色に洗脳してあげますからね。幼馴染み君 覚悟しておいて下さいね。ニヒヒッ!」



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