夢現

@Raito0505

プロローグ

いっそ死んでしまった方が楽なのではないかと思う程、私は私の人生に呆れていた。

 こんな人生終わらせたい。日々そう思う。

 ”生きる意味”ってなんなんだろう。

 私にとってに生きる意味は好きな人である優希ゆうきの存在と、お母さんの存在だ。優希がいなければ、私はとっくに死んでいる。

 死のう。そう決意しても、脳裏に優希の顔が過ぎり、踏みとどまってしまう。

 もしかしたら、私にとって優希は足枷あしかせのような物なのかもしれない。私の人生、微かな希望を追いかけるより、膨大な絶望から逃亡してしまう方がきっと、楽なのだろう。

 私は日々”三人の兄”から暴利、性的虐待を受けている。

 学校では独りぼっち。虐められていた時期も勿論あった。

 逃げた方が楽。そんな事、とっくの昔から理解していた。だけど、身体が動かないんだ。

 あるマンションから飛び降りようと、作を乗り換えた時でさえ、脳裏に優希の顔が過ぎり、足枷のように私の身体を引き戻す。その度に、私はこの世界に絶望する。

 素直に死ぬことも出来ないこんな私は、何を糧に、何のために生きていけばいいの。

 ベッドに横たわり、微かに点っている豆電球を眺めながら、そんなことを考えた。

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