壊れてゆく
箱に人形が一体
人形は一体きりの箱の中で一体何を思うか
誰の預かり知るところでもなく
人形さえ知り得ない
人形には今や情緒などはない
だが人形にも感じることはあり
人形にも心があった
人の形を取った小琴が
箱の中で空気を震わせる
伝わる音は澄んだ水のよう
いつしか箱はビリビリに破け
今にも壊れ去りそうなほどである
箱を壊す誰かは楽しげに事もなさげに
ただ接近してくるだけなのに
箱は絶えず自壊してゆく
人形がまた音を奏でた
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます