【完結】春夏秋冬子ちゃん
夢想PEN
プロローーーグ
俺は叶恋次(かのう れんじ)。
国際信州学院大学の二年生だ。素晴らしい名をつけてくれた父と母には感謝している。
感謝している……が!
生まれてこのかた、彼女などという尊い存在は一度も出来たことがない。
ずっと振られ続けてきた。
理由はわからない。
自分で言うが、顔はそんなに悪くない。
中の上。いや、上の下くらいはあると思う。
髪の毛も茶髪にしたし、眉毛は毎日整えている。
服はユニクロで上下揃えていて清潔感はある方だ。それだけは自信がある。
学部は心理学部で、人の心はよく分かるはずだ。
そう、無いのは彼女だけだ。
親友の小鳥遊遊人(たかなし ゆうと)が言っていた。
「心の友、恋次よ。大学は学問を学ぶとこだと思うか?……答えは否だ。女の子だよ。女の子と青春を送るためだけに、神が与えたもうた限りある四年間なのだ」
そうなのか?
いや、そうなのだろう。
昔からこいつの言う事は間違いがなかった。
小さい頃、二人で煙が出る花火を人の家の軒下に投げて怒られたり、バッタを捕まえて女の子の背中につけて泣かせたり。
そんな時、こいつは「俺に任せろ!」と言って矢面に立ち、被害者と話してくれた。
何を話しているのかは分からなかったが、皆笑顔になって許してくれた。
「な?大丈夫だろ?」
そう言って笑う顔が頼もしかった。
そんな彼とは幼馴染で腐れ縁だが、大学まで一緒だとは思わなかった。
ピアスは拡張して耳の穴は大きく、ピタっとした黒いTシャツ。バンドをしているらしいが、俺には興味は無い。
ただ、趣味は合わずとも、こいつは俺の親友なのだ。
そして大学も二年目になり、遊人が言った。
「恋次、そろそろ動く時だぞ。時間を無駄にするな!恋をするんだ!」
背中を叩かれた後がじんわりと熱を持ち、視線は校舎へと向かう。
学び舎へ向かう女の子たちが、みなキラキラと輝いて見える。
「おっし!!俺は今度こそ彼女を作るんだー!!」
これは、俺が真実の恋を見つけるまでの物語───
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