ロボットへの愛を語り尽くす!スーパーロボット大戦が導いた世界
I∀
スーパーロボットとリアルロボット!
ロボットに興味を持った最初のきっかけは、友人から借りた一本のゲームだった。
『スーパーロボット大戦』である。
当時の私は、ロボット作品を全然知らなかった。
なんとなく知っていた機体や、やたら熱く叫ぶパイロットたち。
プレイを進めていくうちに、彼等に少しずつ感情が動いていった。
画面の中で、命を懸けて戦うキャラ達に、いつしか心を揺さぶられた。
誰かを守るために過去を背負い、それでも前に進もうとするロボット乗りたち。
気づけば、私はすっかり夢中になっていた。
「このキャラは、どのアニメに出てるんだろう?」
そんな興味から、元ネタの作品を調べるようになった。
ーーー
■スーパーロボットの世界
まずは、代表的なスーパーロボット作品を三つ語らせていただきたい。
もっとも、リアルタイムで観ていたわけではないので、断片的な知識も含まれていることをご了承いただきたい。
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●『マジンガーZ』
言わずと知れた、鉄の城。
主人公・兜甲児が乗るスーパーロボットで、分厚い装甲と光子力エネルギーを武器に、数々の機械獣をなぎ倒していく。
「ロケットパンチ」や「ブレストファイヤー」など、誰もが一度は聞いたことのある技名。
まさに、スーパーロボットの王道中の王道である。
兜甲児の声を担当するのは、あのジャッキー・チェンの吹き替えでもお馴染みの石丸博也さん。
その声の力強さもまた、マジンガーの魅力の一つだった。
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●『ゲッターロボ』
3機のゲットマシンが合体し、状況に応じて3段階の形態へと変形できるロボット。
“ゲッター線”という謎のエネルギーを動力源に、恐竜帝国と戦う物語だ。
その後シリーズは進化し、登場するのが――
ゲッターエンペラー。
この存在が、もう規格外。
スペックを少し紹介すると:
・惑星を片手で握り潰す
・ゲッタービームで月を破壊
・ワームホールを物理的にねじ切る
・合体時にビッグバン級のエネルギーが発生
・ゲッター線バリアはあらゆる攻撃を跳ね返す
・ゲッター艦隊を率いるが、その一機一機が惑星破壊レベル
・時間と空間のシステムを理解し、時空を超越する
「は?」と思われたかもしれないが、事実なのだからしょうがない。
異世界転生モノのチートキャラたちには、ぜひ一度ゲッターエンペラーに勝負を挑んでもらいたい。
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●『超電磁ロボ コンバトラーV』
“長浜ロマンロボシリーズ”の第一作。
ゲッターロボが3機合体だったのに対し、こちらは5機合体でスーパーロボットが完成する。
「レッツ・コンバイン!」の掛け声で、5人の脳波が一つになって合体。
燃えるにもほどがある。
続編の『ボルテスV』は、なんとフィリピンで視聴率58%を記録。
日本アニメが国境を越えて愛された証である。
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■リアルロボットの世界
そして、次に語りたいのがリアルロボット作品たち。
スーパーロボットとはまったく異なる世界観、戦争、葛藤、人間。
より現実に近いからこそ、心を抉られる作品が多かった。
こちらも代表的な作品を三つ語らせていただきたい。
●『機動戦士ガンダム』
“リアルロボット”という概念を築いた金字塔。
ざっくり言えば、地球連邦軍とジオン公国との戦争の物語。
ただし、上述したようなスーパーロボット作品と違い、主人公サイド(アムロ・レイがいる連邦軍)が正義というわけではない。
というか、そもそも戦争に正義なんてものはない。
そこが、この作品の“深さ”と言えるのかもしれない。
戦闘シーンも、ド派手な必殺技がバンバン飛び出すわけではない。
あるのは、兵器としてのモビルスーツと、限界を超えて反応するパイロットたち。
アムロやシャアといった超感覚を持つ「ニュータイプ」の存在によって、戦局が左右されていく。
派手さよりも、リアリティと緊張感。
その中にある、人間ドラマこそがガンダムの真骨頂だ。
そして何より――名言の宝庫。
初代に限らず、ガンダムシリーズはどれも心に刺さるセリフが多い。
私が名言と思った初代のセリフを5つ挙げてみよう。
「ごめんよ、まだ僕には帰れる所があるんだ。こんな嬉しいことはない」
「認めたくないものだな、自分自身の若さゆえの過ちというものを」
「坊やだからさ」
「よく見ておくのだな。実戦というのは、ドラマのように格好の良いものではない」
「人間、若い時はいろんな事があるけど、今の自分の気持ちをあんまり本気にしない方がいい」
どの言葉も、それを言うに至ったキャラクターの背景がしっかり描かれているからこそ重い。
ガンダムはただのロボットアニメじゃない。
戦争と人間、立場と感情、希望と絶望――
それらを描いた“群像劇”なのだ。
●『超時空要塞マクロス』
未知の異星人との戦いに巻き込まれる地球人。
その中心にあるのが――「歌」。
板野サーカスと呼ばれるアニメーションのドッグファイトも圧巻だが、何より感動するのは、歌が戦争を止める力になるというテーマ。
フィクションなのに、なぜか心に残る。
“想い”が力になるというメッセージが、とても美しかった。
『マクロスF』は若い世代にもオススメ。
『呪術廻戦』五条悟の声優さんである、中村悠一さんの出世作でもあり、今からでも楽しめる一作。
●『装甲騎兵ボトムズ』
この作品の魅力は、“強くない”主人公機にある。
そして、それに乗る主人公キリコがとにかくすごい。
機体が強くなくても、キリコは不死身で、どこまでも冷静で、ただひたすらに戦場に在り続ける。
銀河規模の戦争の中、彼だけが浮いているような、それでいて誰よりもリアルに生きているような存在。
ネタバレは避けるが――彼を殺すことは、不可能である。
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スーパーロボット大戦というゲームがきっかけで、私はロボットという沼に沈んでいった。
最初はただの興味本位だった。けれど、そこには熱と涙とロマンがあった。
“ロボットが好き”――
たったそれだけで、何十年分の物語と出会える。
そして、今でも私は、画面の中で叫ぶあの声たちを思い出す。
ロボットたちは、いつでも私の心を熱くしてくれる。
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