第3話 イカレた奴等
【オーソドックス銀行】
街の中でも大きな銀行で一階は天井が高い。広々とした空間に豪華な柱。二色のフロアタイルで落ちついた品格ある空間となっていた。
そんな中、場の雰囲気にそぐわない七人の強盗が店内で銃を撃っていた。天井に穴が空く。銀行員たちは怯えながら言う事を聞く。
「ヒャッハー!! 世紀末だぜェェェ!!!?」
「おら!! とっととトイレットペーパー以下の紙幣、たらふく詰めんかい!!」
「ひぃぃぃ。未満じゃないんですねぇぇ」
「黙れぇぇ!!
「ひぃぃぃ!!! 申しわけーッ!!」
銀行員は紙幣を袋に詰めていく。
外では到着したばかりのなんでも課がいた。服装は統一感はない。しかし、ハンドガン。そして
ハンドガンは普通に殺傷性のある銃だが、公安はテイザーガン。つまり遠距離スタンガンの役割を持った銃も使う。
マナという不思議なエネルギーでゴム弾を発射し、ゴムの先端に埋め込まれた極小のオリハルコンから放電する。一部を除いてゴムで覆われていて、金属部分は人体に触れない設計になっている。でも当たるととても痛い。
「
「始末書に書いてあった」
「殺し屋!? 人質に当ったら始末書ものですよ!!」
「くっ。こうなったらプランDでいくしか……」
「また不穏なこと言うとるな」
☆彡☆彡☆彡☆彡
店内では大騒ぎになっていた。犯人の一人が腕を止血していた。
「
「な、なんとか……」
「くっ。正気か!! 警察の野郎。いきなり撃ってきやがったぞ!!」
誰かの野次が響いく。
「お前等は道徳心強盗されとるんよ!! お前等こそ正気を取り戻せよ!!」
「ッ!? な、誰だ!! 今喋った一般人質はよォ!!」
辺りはシーンと静まり返った。
「チッ。次余計なこと喋ったら、俺のじゃねぇ『
「っ……そ、それだけは……ッ」「鬼畜か」「えぐいて」「最低だ」「ひどすぎる」「何色血だ」
「じゃあだぁってろ!!!!」
人質が静かになるとボスと思われる人物が人質を盾に出入口前に現れる。警察と思われる制服を着用している者が多数。服装が普通の制服と違う者が二人。ボスはこの二人が特殊部隊なんだろうと適当に考えていた。
「ふざけてんじゃねぇぞ。国家の犬ども!! 人質がどうなっても良いのか!? おぉんッ?」
(二人? いや、そんなはずはねぇ。どっか隠れているな……狙撃に注意だな)
「今のはこちらのミスだ。悪かった。俺の顔に免じて許してくれ」
「許すわけねーだろうが!? ああッ?」
「言い忘れたが俺は先日彼女にフラれた」「三度だけ許してやるッ!!」
「良かった。そうだ仲直りの印に君の仲間の治療をしよう!! だからこれ以上馬鹿な真似はやめるんだ。それに故郷にはあたたたな両親がいるんだろ……?」
「俺の両親は
「わ、分かった。なんでも言う通りにするから人質は殺さないでくれ!!」
「だったら早くしろォ!! ん?」
その時、ボスの傍で少女が怯えていた。頑なに口を開けようとしない。それは
(ガキの方が人質としての効果がありそうだな)
「てめーも人質にしてやる!! 来い!! 来ないと撃つぞ!!」
「キャアアア!!」
「あー!!
「うるせー!! 早くしないと人質を殺すぞ!! 一時間以内だからな!!」
「くっ……!!?」
ボスは怯える人質を連れて銀行の中に戻って行った。
「ところで……フラれたんですか?」
「嘘も方便」
「多分それ、一番許されない系ですよ」
「俺の顔に免じて許してくれ」
「無限ループに入りました?」
二人は建物を見た。
「……とにもかくにも作戦通り……上手く潜入しましたね。
「嗚呼。あとは
そこで
「あ!! 人質の安全を確保しないと八方塞がりですもんね!!」
「没収した座布団で地中にめり込ますぞ」
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