第5話いける!やってやるぞ!

よし!今日は1番に教室に着く!


彼は鼻息荒くいつもより1本早い電車に乗った。


昨日の夜に綿密な計画を立てていた。

それは教室に一番乗りし学級名簿で話しかけやすそうな

男子の名前を探し、今日の体育のグループに入れてもらうのだ。

そのためには名簿を確認するところを誰かに

見られるわけにはいかない。

(1ヶ月経ってから友達作りに本気になるなんて

 どう思われるか分かったもんじゃない)


そもそも友達が0の人間が見ず知らずの人たちのグループに

入れてもらえたとしても生きてゆけるのだろうか。

彼はそんなことを微塵も考えなかった。


彼は目標通り一番で教室に入った。名簿を確認し、

[よこしま][うさき][きたむら][やなぎ]

に目を付けた。


よこしまはサッカー部に所属し仲のいい男子が多い。


うさきは小太りだが愛嬌があって話やすい雰囲気だ。


きたむらはお調子者で先生にも

可愛がってもらっている。


やなぎは男子人気も高いが女子人気も相当だ。


「もちろん、やなぎだ」

彼はやる気に満ちて少しハイになっていて、

あわよくば−という欲が彼を突き動かす。

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