第3話偉そうなメッセージ
彼は反省した。ボケーっとした性格を直せとは
周りを見て考えろってことであって
決して無鉄砲に大声であいさつすることではないと。
彼は教室を見渡した。
先生はサイズの合っていない青いシャツを着ていた。
(誰に借りたんだろう…)
学級委員長は上着を枕にぐっすり眠っている。本気だ。
(委員長としてどうなんだ…)
ギャルは真面目に勉強していた。
(ギャップが…)
視線に気づいた彼女は彼を見て思い出したように笑った。
彼は目を逸らして熟れたリンゴと化した。
そして、逸らした目線の先には小さい女子がいた。
ポニーテールを揺らして睡魔と闘う彼女の横顔に
ドキッとした。
右耳だけで4つのピアスホールがあった。
(その顔でその穴の数…末恐ろしいな…)
ブブッとスマホが鳴る。
『ステップ1クリア(甘々採点)
ステップ2話しかけろ』
また、誰かから謎のメッセージ…
彼は驚きこそしたが怖くはなかった。
この教室にいる誰かが僕のためを思って
送ってくれているのだから。
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