魔法をゴン③
それから数日間は都市内をあちこち歩いて回った。
各地にある実験も兼ねた魔導技術の産物を見たり、それを活かした大量生産品に驚いたり、文句を言っていた料理に関しても人力では難しかったり手間だったりする部分を魔導機械で代用することで、品質を均等にしつつ安価で手に入るのだと喜んだりしていた。
現金なエルフである。
ともあれそうして過ごす内にギルドから連絡が来た。
「連絡を貰ったザザ・メイフォンだが」
「ザザ様ですね。少々お待ち下さい」
ザザの冒険者証を確認し、一度席を離れ奥へと向かう職員。
戻って来ると別の部署へと案内され、そこの職員も一度離席してから戻り、また別の場所へと案内された。
たらい回しである。
こんなところまで役所っぽい。
そうして連れてこられたのは小さめの会議室、あるいは大きめの談話スペースといった場所。
目の前に座るのは管理職だという男性のギルド職員だ。
「改めまして、Aランク冒険者のザザ・メイフォン様ですね」
「ああ」
「拝見します……はい、結構です」
本日ギルドを訪れてから既に三回目になる冒険者証の提示。
横のエルフはすっかり飽きてしまったようで、話を聞いているようには見えない。
「まずは、お預かりしておりました魔晶石の件からお話しいたします」
そうして彼が提示して来たのは、ここまでの旅費や都市内部での観光などの諸々を含めても十分な利益となる額。
ザザもそれに頷き、売却ということで話を進める。
周りを三カ国に囲まれ様々なものが流れてくるこの魔法都市であっても、やはり魔晶石は需要を十分に満たすだけの供給がされていないようである。
「続きまして、この魔晶石の取引とも関連して依頼が来ております」
「依頼?」
「ええ。先方は魔晶石の買取依頼を出されており、併せて魔晶石を納入できるだけの実力のある冒険者を紹介して欲しいと言われております」
「ふむ……詳細は?」
「こちらをご覧ください」
職員が示した資料に併せて口頭でも説明したところによれば、依頼人は都市内部にある研究機関兼教育機関、通称魔導学園と呼ばれる組織である。
魔導学園は周辺三カ国に留まらず、この地域の各地から留学生が集まって来るほどの規模と教育レベルであるという。
依頼内容は、学生の指導補助とある。
これだけでは実際に何をするのかはわからないが、一ヶ月という拘束期間の長さも併せて考えると、ひとつに絞るのではなく色々とやらされるのであろうとのこと。
報酬も十分Aランクを確保するに足るものであり、別途生活費も申請可能というおまけ付きであった。
「良いんじゃないか?」
それまでは興味がなさそだったエルサイノスが横から口を挟む。
魔導学園と聞いた辺りからなんとはなしにソワソワしていたが、どうやら街で見かけた魔導機械について興味があるようである。
曰く、個人用の機械があればザザの調理レベルが上がるのではないかと。
自分で作るという発想はなくして久しい。
◆◆◆◆◆◆
今日は何回か投稿予定です。
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