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 拠点の外は、怒号と足音で地響きがするほど騒然としていた。

「敵兵だ!数が……多すぎる!」

見張りの声が響き、仲間たちが次々に武器を取って外へと走り出す。


蓮も腰の剣を抜き、重く冷たい刃を握りしめる。

月光を浴びて煌めく刀身が、これから浴びる血を予感させるようだった。


門を開け放つと、眼前には鎧に身を包んだ兵士の群れが押し寄せてきていた。

鬨の声と共に突撃してくる彼らの数は、ざっと見ただけで百を超える。


「……こりゃあ派手になりそう」

隣に立つミネルが双銃を構え、にやりと笑う。


「退屈しないで済みそうだ」

神谷が剣を担ぎ、地を蹴って前に躍り出る。


兵士たちの矢が一斉に放たれる瞬間――蓮は踏み込んだ。

振り抜かれた剣が、前列の兵士の鎧を紙のように裂き、血飛沫を夜空に散らす。

仲間たちも次々と飛び込み、拠点の前は一瞬にして修羅場と化した。


蓮は一人、兵士の群れに切り込んでいく。

「邪魔だ……!」

剣の一閃ごとに兵が倒れ、刃は止まることを知らない。


だが敵の数は尽きない。次々と押し寄せる兵士に、仲間たちも少しずつ押され始めていた。


その時――


「突っ込んでくるぞ!」


列を乱して突撃してきた重装兵が、蓮に狙いを定めて槍を突き出した。

蓮はぎりぎりで身を捻り、剣で受け流す。

「……甘い!」

反動で振り返りざまに斬り下ろし、槍ごと胸を両断した。


背後からの殺気に即座に反応し、剣を横薙ぎに振る。

倒れた兵士の悲鳴が混戦の渦に飲み込まれていく。


仲間たちも必死に応戦していた。

蘭華は氷の魔法を放ち、兵の進軍を阻み、鷹真は背後から斬り込み、白神は次々と弓矢で敵を仕留める。


しかし――敵の数は減らない。


蓮の額に汗が滲む。

「……チッ、どんだけ湧いてくんだよ!」


まるで拠点そのものを潰すため、底なしに兵士が送り込まれてくるようだった。

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