第20話 眠りの後は

「うぅん…」


 俺の目が徐々に覚醒しだす。


 昨日は普段よりも寝つきが悪かったが、時間が解決し、深い眠りに落ちた。


「うん? なんか隣にぬくもりを感じるような?」


 俺は重い瞼を根性で何とか開け、隣を確認する。


「うぅん。柳生さ〜ん」


 隣では杉原が気持ちよさそな顔で俺の腕に抱きつき、寝言を言いながら眠っていた。


 スヤスヤと可愛らしい寝音まで立てる。


「…」


 俺は熟睡する杉原の顔を隣から見つめる。


 髪は金色で美しく、顔はハーフ顔で整っている。同じ人間だとは思えないほど美しく、可愛い。


 そんな杉原がピンチで追い詰められている。心に少なからず傷を負っている。


「杉原。お前は俺にとっても大切だ。だから絶対に守る。いい方法があるから」


 俺は杉原の顔を見つめながら呟き、彼女の頭を優しく撫でた。


「うぅ〜っん」


 杉原はモゾモゾと動きながら、気持ちよさそうな表情を見せる。


「なんか…可愛いな」


 俺はフッと微笑むと、再び両目を瞑り、眠りを再開した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る