第6話「修行」
札幌が陥落してからスグルと風太郎は共に都市街…通称外界で修行をしていた。モンスターとの戦闘、2人での手合わせ、スグルはモンスターの捕食。これまで捕食したモンスターは、デュラハン、ナイトメア、ワイバーン(雷)に加え、ミノタウロス、イエティ、サラマンダー、1番の大物はブリザードドラゴン。そして4日目にして、食料を忘れ、モンスターに囲まれて体力が限界を迎えそうな窮地に陥ってしまった。頑張ったのに…そう諦めの言葉が頭をよぎり、静かに目を瞑る。再び開くとそこに広がるのは死後の世界ではなく、モンスターを全て殺し踏みつけている男…男はこちらを見ると軽食を出して家に招き入れてくれた。
家は外界にあり、少しボロく、昔の民家のようだった。彼の名前はコジロウ、異世界のモンスターがやってくる前からこの地に住んでいると言う。
「しっかし、なんでこんなところに?」
風太郎は質問をした。この質問に対しコジロウは静かに答える。
「妻と娘と共に生きた土地をアイツらには汚させたくないんだ」
どうやらモンスターによって妻と娘を失ってしまったようだ、次にスグルが質問する。
「おじさんの配合されてるDNAは?」
コジロウは首を傾けた。
「配合?DNA?」
コジロウはずっとキョトンとしていたので風太郎が少し魔法を使う。
「こう言うやつですよ、知らないんすか?」
コジロウは口を開けっぱなしにした。
「ズルくね?俺なんて剣技と猟銃しかないのに…」
次はスグルと風太郎が口を開けっぱなしにする。2人が驚いた理由は簡単だ。まずモンスターに現代兵器は使い物にならない。外装が硬く、急所を狙いしっかりと撃ち抜く必要がある。つまりフルオート射撃で乱射しても急所に当たらなければ無意味なのである。それを単発の猟銃でモンスターを倒しているのだから相当な技を持っている。そして何よりさっき見せられた瞬殺劇、あれは相当な技術が無ければ成せない芸当だったからだ。
「おじさん…俺に…剣を教えてくれ…」
コジロウは少し目を瞑り、俺が三刀流であることを見抜き一刀流でいいのならと教えてくれた。視点や、足の運び、体重の移動まで丁寧に教えてくれた。コジロウと共にモンスターを倒しに行く時はさらに凄さが伝わった。俺の出す技に合わせて俺が攻撃を喰らわない技を繰り出し最低限のサポートで俺を成長させてくれた。それから俺の目の力もあり、2日でコジロウの剣技をマスター、あとは経験だと告げられる。風太郎は札幌奪還戦に参加してほしいと頼んだが、断られてしまった。俺らは別れを告げて東京に帰還し、札幌に向かう。
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