まだ黒蓮の毒に口をつけることはできぬ故に

×「っ…ここは…?」

○「よっ、」

×「…師匠?」

○「久しぶりだなぁ、×」

×「何故、という必要もないですか…」

○「まぁ、とりあえず座ってくれよ。」

×「…はい。」

○「何から話そうか、昔のこと?それとも×の話か?」(飲み物を×に出して)

×「相変わらず、コーヒーがお好きなようで。」

○「あぁ、そうだな。」

×「…」(コーヒーの入ったカップを手で払い除ける)

○「お前も、相変わらず行儀の悪い。……そうか。」(×の目を見て)

×「はい。まだ、やらねばならぬことがある故。」(○に背を向け、出口の扉に手を掛ける)

○「ハッハッハ‼︎いやー嬉しいなぁ、生意気にも弟子を取りやがって。…こんなに立派になって。俺は誇らしいよ。」

×「……」(涙を堪えている)

○「俺が最期に話した時、言ってたこと覚えてるか?涙は見せてもいい。ただ、強くなる歩みを止めるな。」

×「はい、師匠。覚えています。忘れることも、できません…ですが。まだ、顔を見せに来るわけにはいきませんから。」(少し震えた声で)

○「行ってこい。」(×の背中を押す)

×「言われずとも。…私が弟子を守らねばならぬ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る