騙り手は揺かごを手離す
「死ぬことは罪では無いさ、産まれることが罪なのであって。その罪を背負ったせいで、現世と言う監獄に囚われなければならない。もちろん、脱獄だってできたはずだ。だけど勇気なんてなかった。その過程の苦しみが果てしないものだと知っているから。さらに言えば、もし失敗したらその苦しみすら無駄になるかもしれない。仏や神は死ぬことが罪だと言う。そんな事あるわけがない。苦しみから逃げるための道でしかない、一つの手段でしかない。なぜ、なぜ人間は逃げることが許されぬのだ。それは、生ける者の本能であろう。語っても、騙っても。言っても、揺っても。話しても、離しても。何の意味もない。…君と僕の懲役はあと、何年だろうね。」
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