異世界縄文デイズ:文明開化は宇宙人の仕事です ~大噴火で全部リセットされるとか聞いてないんですけど!?~

まーくん

第一部 『神の降臨と楽園の創造』

第1話 ジンミュートの災難

『文明が突然生まれることなど限りなくあり得ないことである。

もしあり得るとすれば、その切っ掛けが必要なのだ』






ブー!ブー!ブー!………


故障だろうか、エラー音が鳴り止まない。


俺の名はジンミュート。教会の異端諮問を受けて、遥か遠くのガンリューブル星へ流されるところだ。


今は緊急時なので詳しくは後で説明するが、この犯罪者護送船セロマリン号は大気圏を脱出してからわずか3日で宇宙乱気流に巻き込まれた。


しっかりした船だからこの程度の宇宙乱気流なら問題ないはず……

そう思ってた。


「宇宙乱気流確認、本船に対する影響は極めて軽微。よってこのまま予定通りの航路を進みます」


船に搭載された旧式ナビゲーションが機械的で甲高い声で放送してやがる。


俺にはどうする術もなし、成り行きに任せるさ。


そう思って眠りにつく。


翌日、船の揺れで目が覚める。


まだ乱気流を抜けていないようだ。少し長いな。


まさか……星団気流じゃなきゃいいんだが……


宇宙乱気流とは、星が密集している場所起きる現象で、よくあることだ。様々な方向から流れてきた、強い宇宙風が星間を抜ける際に竜巻を起こすことで発生する。


よほどのことがなけりゃ問題ないだろう。


だが、星団気流となると話しは別だ。


船が揺れるのは同じだが、こちらの厄介さは、次元転移ボイントがあるってことだな。


次元転移ボイント。星団の強力な地場が重なり合い出来る時間や空間が歪む場所を指す。


ここに入ると、2度と戻ってこれねぇって云われてる。


本来であれば星団を跨ぐ時に極稀に発生する現象なのだが、理論的には激しい宇宙乱気流により、星団内に亀裂が入った際にも起きる場合があるらしい。


あくまで理論上の話で何億分の1の確率とかって話なんだがね。


目的地まではまだ13日もあるんだからな!

何とか持ってくれよ、このボロ船め!


その後も船体の揺れは収まる気配が無い。


まさか……


少し不安になるがまさか何億分の1に当たることはないだろう。人間ひとりだと不安なことばかり考えてしまうもんだな。


そして翌朝……


「本船は……本船は……航路を大きく外れた模様です」


久し振りに聞いたナビゲーションの甲高い声は相変わらす機械的だけど、そこに僅かに不安そうなな感情が混じっているのは初めて聞いたよ。





閉鎖されているはずのコックピットに行ってみると、遠隔錠が解除されていた。


ということは、遠隔錠が届かない場所に流されたってことだ。


中に入るとありふれた操縦席があり、現在地を示すはずの航路図がある。


ハアーー


思わずため息をついてしまう。


航路図には何も映っていなかった。


つまり地図に無い場所に飛ばされたってことだ。


たぶん、何億分の1の奇跡のような宝くじに当たっちまったんだよな。


それからナビゲーションの声を聞くことが無くなった。


何せ旧式だからな。地図が無けりゃまともに動くことも出来ないんだ!


俺は船内を歩き回り非常食を探した。


元々流刑地までの護送船だから余計な物は積んでいない。


だが、遭難を想定した法律で定められた最低限の非常用品は揃っているはずで、そこには非常食も含まれているはずなのだ。


かつて、星間フェリーとして使われていたことから、食堂や調理場があるはずだから、そこに行けばあるはずと思い、船内を探索する。


本来であれば全ての扉に遠隔錠が掛かっているはずなのだが、もちろん全て解除されていた。


そして食堂に到着すると案の定、非常食として300日分の固形非常食が見付かった。


奥には非常食を製造できる機械もあるぞ。材料を入れれば勝手に非常食を作ってくれる便利機械だ。


まあ、この船の中に材料があるとは思えないけど……


それから10日後、船体は激しい衝撃を受ける。


宇宙服を着込んで船外へ出てみると、船体に大きな凹みと亀裂が出来ていた。


どうやら宇宙ゴミが直撃したようだ。


直径3メートルほどの大穴からはしばらくの間、船中の空気が漏れていたようだが、今は非常シャッターが閉まったようで漏れはふさがったようだ。


だが、深刻なことにエンジン系統を故障したみたいで、航行制御を失ったまま、船体は宇宙風に流されてしまっていた。


そしてどこに行くのか分からないまま更に10日後、いきなり進行方向が変わり、速度が上がった。


「重力に引っ張られています。制御不能……」


久し振りに聞いた甲高い機械音。


そのまま船は大気圏に突入し、海へと落ちていった。




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