ごきげんよう、10年間とじ込められていたエルフ姫です

優木凛々

プロローグ

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「次の者!」



 世界樹の麓にあるエルフ国の王宮内、荘厳な雰囲気の謁見の間に、

 宰相の声が響き渡る。


 1人のベールをかぶったエルフの娘が、国王の前に跪いた。

 頭を深々と下げて一礼をする。


 そして、彼女は緊張を逃すように軽く息を吐くと、指を鳴らした。



 パチンッ



 ベールが消え、美しい銀髪に青い瞳が露になる。


 観衆たちが思わず息を呑んだ。



「あ、あれは……リディア王女!」

「幽閉されているのでは……?」



 会場にざわめきが広がった。

 リディアの妹である第2王女ヴェロニカと、元婚約者のギルバード、そして宰相が真っ青になる。


 そんな中、リディアがゆっくりと顔を上げると、その優しげな青い瞳で国王を見た。



「お久し振りでございます。父上」

「……ああ」



 国王の目が一瞬潤む。

 しかし、すぐに彼は威厳を取り戻すと、静かに尋ねた。



「……リディア、正体を隠してまでここに来た理由はなんだ?」

「真実を伝えにまいりました」



 リディアが強い目で国王の目を見返す。

 そして、彼女は息を吸い込むと、大きな声ではっきりと言い切った。



「10年前、わたしは父上の薬に毒など入れておりません! あれは全てデタラメです!」





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