第41話 地下へいくぞ
「いくぞ」
その私の言葉にサキはうなずくと、一緒に階段を駆け下りた。
下まで何十メートルあるのか見当がつかないが、降りていくしかない。
「結構深いな」
「そうね……」
すでにサキは肩で息をしている状態だ。これだけの慣れない戦闘をした後だから、当然といえば当然だろう。
荒い呼吸の中で、視界の端に看板が映った。その文字を見たサキが目を見開き、息を呑む。
「ねえ、この下って」
「そうだ。高速道路の工事現場だ」
週末の夜、当然工事はやっていない。前の失敗で見張られていることを知った売人が、このビルの地下から逃げることを思いついたのだろう。
「あそこの扉がそうだ。いくぞ」
「う……うん」
私は階段の一番下に着くと銃を構え、その言葉とともに目の前の扉を蹴り破った。大きな音とともに鉄製の扉は壁に当たって跳ね返り、元に戻ろうとする。だが、それを力ずくで押さえると私たちは中に滑り込んだ。
そこには、一台の乗用車があり、黒服の男と売人、運転席には赤い服の男がいる。黒服の男と売人は、まさに車に乗りこむ直前だ。
「待て」
そう叫んだ私は、引き金を二回引く。大きな銃声がトンネル内を反射する。
ここにはマイクやカメラが無いから撃ち放題だ。
一発は黒服をかすめ、もう一発は車のフレームにヒットした。
「くっ」
悔しさが思わず口に出る。二人が乗り込むとそのまま急発進した車。
「待って」
サキが声を上げるが車は止まらない。
「パイン(サキ)、あれに当てられるか?」
ほぼ完成した真っ直ぐな高速道路。その先に光るヘッドライト……だが、拳銃の弾は届いても、狙いを定めるには遠すぎた。
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