8㎏は重すぎる——隠し神の陥穽と耳の良い探偵

ZZ・倶舎那

プロローグ

0-1

 愛染が私のケータイに電話をかけてきたのは、朝の9時過ぎだった。


《清水君、都内で幼児の誘拐事件が発生していないだろうか?》


 回線がつながったとたんに愛染が言ったことがこれだ。


 電話に出た相手が私であるかを確認することも、自分の名前を言うこともなかった。「もしもし」すら言わなかった。

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