タイトルのつけ方

 タイトル、もしくはサブタイトルはセンスが問われるところで、タイトルを考えるのは本編を書くよりも楽しいのではないかと思うほどです。


 また、タイトルは作品のとなる部分であるため、読んでもらうためにも、かなり重要な要素であると考えています。


 ジャンルにもよるかと思いますが、やはり最近のweb小説の流行は長文系のタイトルでしょうか。トップページでもかなりの数が、長文タイトルである印象を受けます。


 一昔前は四字熟語系が流行っていた記憶がありますが、その時々の流行を感じることができるため、私はどちらも結構好きです。


 しかし、私が主に書くジャンルはホラー系で、最近だと「○○について探しています」「××に関する調査記録について」のような現実とリンクするモキュメンタリー風のタイトルが多くみられる気がします。


 ホラーとはいえ、私の書いているのはモキュメンタリーではないため、自身の書いている内容にあっているかというとそんなことはなく、私の作風にはもっとシンプルなタイトルの方があっているかなと考えております。


 ここで悩むのは「簡潔でインパクトのあるタイトル」というのは、なかなか頭をひねっても出てこない、というところです。


 私がタイトルをつけるときには、上記の条件に加えて、「物語をそのまま表すタイトル」と「作中で伏線回収をするタイトル」の二つのうち、どちらがいいかを考えています。


 自身の作品を例に出すなら前者は「無責任の美学」「エコーチェンバーの悪魔」、後者は「君の眼は僕に永遠の愛を誓う」「馬の餌」がよくできていると思います。


 前者は、書き始める前から書きたいものが明確で、自身の中でテーマが確立していました。そのため、書き上げた後でそれに見合ったタイトルを冠した形になります。

 

 この場合はテーマをそのままタイトルにするだけなのですが、最も伝えたい部分とごろの良さのバランスをとる必要があるため、2つの単語を組み合わせるにとどめるよう意識しています。


 後者の場合、読み初めに「なんでこのタイトル?」と思われて、読後には「だからこのタイトルなんだ」と思われるような作りを意識しています。


 作中にでてくる単語はあえて使わないことで、読んでみて初めて気が付くようなタイトルにしたり、作中にでてくる単語であっても、読み終わることで違った意味に見えるタイトルをつけています。


 これは読者に気づいてもらえた時には気持ちがいいですね。癖になります。


 しかしながら、こうしたタイトルは、おそらくはweb向きではなく、流行でないことは百も承知です。ですが、タイトルのこだわりだけは譲れないのです。


 脱PV0を目指すならもっと貪欲に、読まれる要素を取り入れるべきというのはごもっともではありますが、このこだわりを曲げた先には何も残らない気がするのです。


 創作論ではなく、あくまでもエッセイですのでどうかご容赦ください。


 というわけで、タイトルのつけ方に対する、思いと自己分析でした。

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