演出じゃない夜×あいぶき(優人&綾菜)
この作品は
演出じゃない夜
https://kakuyomu.jp/works/822139839750368445
愛すべき彼と不器用な恋の日々
https://kakuyomu.jp/works/16818792437969021415
のクロスオーバー作品です。
それぞれの話を理解している方が楽しめると思います。
――――――――――――――――――
私――真城綾菜は今日、彼氏の水口優人とデートでお化け屋敷へ行く事になった。
ゆう君は知的で判断力が高いが少し頼りない所がある。
今回も「いる訳のないお化けの作り物を見に行っても詰まらない。」とだたをこねていた。
そういう時、彼を動かすのは簡単である――
優人綾菜の恋人憲法 第一条
交互に毎週土曜日ハ、相方ノ趣味ヲ尊重スル事トスル。
これを行使すればゆう君は「ぐぬぬ…」としか言えない。
逆にこの恋人憲法のせいは私は何度もエッチなコスプレにつき合わせれている。
しかもパンストネタが多い――
ゆう君を怖がらせるために私はこのお化け屋敷について色々調べてみた。
元、廃病院の舞台――
10数年前、この病院で働いていた医者が亡くなった患者を死体解剖と銘打ち、
臓器を摘出・販売していた事が発覚したらしい。
最初はバレないように亡くなった患者のみを対象にしていたらしいが、途中から欲が絡み、
"死にそうな患者"を殺して臓器摘出をやり始めたのが事件発覚の原因だったとの事。
警察の逮捕を恐れたその医者は、霊安室で首を吊って自殺――
これをきっかけに病院への信頼は一気に地の底へ落ち、患者は離れて行った。
また、亡くなった遺族からの損害賠償請求裁判が乱発し、
この病院の院長も、院長室で大量の麻酔投与による自殺を行い、廃病院となった――
そんないわく付きの病院後に作られたお化け屋敷は当然"出る"と噂が広まった。
この情報をゆう君に出してもゆう君は、「馬鹿で限度を知らない部下を持つと怖いな…」と、
別ベクトルの恐怖を感じている始末……。
当日は絶対にちびらせてやる!!
* * *
「なんか… 入り口から雰囲気あるね…」
このお化け屋敷の入り口は、正面の受付ではなく、緊急搬送用の少し小さめの入り口になっていた。
お化け屋敷として作り変えただけあって、
雰囲気は確かに怖いが清掃は行き届いていた事に私は少し安堵して、ゆう君に声を掛ける。
「うん。 衛生上の問題とかあるだろうしね。
それより、一つ気になったんだけど――」
「なに?」
「このお化け屋敷、4階建てになってた。 階段とかあるのかな?」
ゆう君はお化け屋敷に入る前に遠くから建物をチェックしていた。
「ううん。 うす暗い場所で階段は危ないからって理由で階段はコンクリートで固めたみたいだよ。」
「なるほど…」
「?」
そんな話をしながら手術室に入ると――
バーーーン!!
「きゃあ!」
突然大きな音がなり、手術室に赤いライトが照らされる。
手術台には生々しく横たわった人――
音と共にお腹から臓物が飛び散り、目を見開いた横たわっている患者がこちら向き…
「ギャーーー!」と悲鳴をあげる。
… … …
「こっわw」
この病院は元々隠れて臓物売買をしてきたという背景を思い出しながら私は感想を言う。
ゆう君は私をかばう様に抱きしめていた――
「ゆう君… ほら… ここは一応公共の場だし…」
突然の大きな音で驚いたゆう君はとりあえず私を守ろうとしてくれた事が嬉しく…
ちょっと照れながらゆう君に言うと――
「わわっ!! ごめん!!」
ゆう君はびっくりして私から手を放す。
(もう… こういう所も好きだぞ!)
「音でビビらすとか、芸がないね!」
ゆう君が照れ隠しをしている――もう愛情パラメーターはマックスなんだからこれ以上萌えさすな!
そして次の部屋――
「霊安室…」
私はこのお化け屋敷は本当に悪趣味だと思いながらつぶやく。
「どうやら、過去に起きた事故を元に作ってるみたいだな…
少し運営の神経を疑うよ。」
霊安室を出ようとしたとき――
カチカチッ
電気が一瞬消え、赤かったライトが突然薄青くなる――
「なに!?」
私は突然の出来事にゆう君の腕をつかむ。
「雰囲気が変わった…」
ゆう君の表情も少し険しくなっていた。
ボトッ…
そう話していると首を吊っていた人形の胴体だけが鈍い音をして地面に落ちた。
首の部分から赤い液体が飛び、ゆう君の服を少し汚した。
鉄の臭い?
不意に変わった臭いが鼻を突く。
ゆう君は床に落ちた人形と赤い液体を確認し始めた――
「これ… 本物だ…」
「え… どういう事!?」
「分からない… だけど、スタッフを呼ぼう。
これは作り物には見えないけど、少なくとも備品が壊れたのは確かだから…」
そういうと私たちは前の部屋――手術室に戻りスタッフの呼び出しボタンを探した。
* * *
「え? 手術室の次は病室のはずですよ?」
駆けつけたスタッフが訳の分からない事を言う。
「あれ? じゃあ俺たちルートを間違えました?」
ゆう君が言いながらさっきの霊安室への扉を開ける――
すると、そこは本当に病室になっていた。
「ま… まぁ、うちのお化け屋敷は怖くて有名ですからね?
リタイアしますか?」
気を遣って聞くスタッフにゆう君は私の顔をチラリと見る。
私は黙ってゆう君にうなづく――結局私たちはリタイアをした。
* * *
お化け屋敷を出るとゆう君はもう一度お化け屋敷を見返す。
「どうしたの?」
「なんで階段をつぶしてるのに2階より上を敢えて残してるんだろうなと思って…」
「取り壊すお金が無かったんじゃなくて?」
答える私にゆう君は微笑みながら「どうかな?」とだけ答えた。
ゆう君の微笑みの理由が怖くて私はゆう君の腕にギュッってしがみついた。
「あやとさ… エッチとかするの凄く好きだし、興奮するんだけど――」
ゆう君が突然変な事を言い出した。
「こういう期待してない所で不意に来る胸の感触とか…
こういう健全なエロもけっこう捨てがたいよね?」
私は黙ってゆう君のお尻を蹴り上げた――
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