第6話 相談

 結局、浅い眠りのまま起きて出社した。浜島に連絡した。

「今日、相談したいことがあるけどいいか。」

「なんだ、この前の報告の続きかぁ~。いいぞ。早めに仕事は切り上げる。」

「すまん。」


 夕刻、近くの居酒屋で、携帯を見せながら、話した。

「純玲ちゃんが、お前を裏切ってた、ってことか。信じられないよ。」

「俺もだ。でも、このメールをどう思う?」

「普通に考えれば、不倫の連絡だな。」

しばらく黙った浜島が、真顔で言った。

「お前は、純玲ちゃんの過去をほじくり返してどうするんだ?今、夫婦はうまくいってるんだろ。今の幸せを自分で壊すつもりなのか?」

痛いところを突かれた。

「だから、相談しているんだろ。」

「じゃあ、これ以上の詮索は、やめとくか?」

「そうしたいけれど、俺は、この携帯のことは忘れられない、なかったことにはできないと思う。だから、やはり真実を知りたい。」

「そうだなぁ。俺もそう思う。それにな、これが過去のことならいいけど、そうじゃない可能性もある。」

「今も続いているってことか?」

「可能性だ。ただ、またお前が単身赴任すると知れば、再燃することだってなくはないだろう。」

「じゃあ、内示の出る1月末までには・・。」

「実質、2か月の勝負だ。」

「しかし、今の状態じゃ無理だ。何も手がかりがない。」

ふと、しばらく考えて浜島が口を開いた。


「おれの部署は知ってるな。」

「法人審査部だ。」

「そういろんな会社の経営状況、会社の状態を審査する。表も裏もな。」

「裏ってなんだ?」

「社長の不倫とか女遊び、ギャンブル癖とか表に出てこない裏情報。それを調べてもらう調査会会社が複数ある。俺が一番信頼できる人を紹介する。ここへ行け。」


浜島が差し出した名刺「古田調査会社」




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