異世界復讐
@isekai43
第1話いじめ
都内にある令和高校は他の学校に入ることができない程の学力の低い生徒が行き着く先と言われている。
その令和高校では生徒がタバコを吸ったり、いじめが行われたり、というのが日常茶飯事な学校である。
今年高校3年生になって半年が経過した黒崎透の世界は変わることになる
彼は昔から学力が低く、運動音痴な生徒で、この高校に行き着いてきた。
この高校に集まる生徒は不良生徒が多く集まるが、勉強が不得意なクラスで目立たない生徒もいる。
黒崎は後者だ。
彼はこの高校に来てから1年生の時に、とある出来事がきっかけでクラスのパシリ役になってしまった。
入学初日
黒崎は1-D組になったので、その教室に入ると、既にいくつかのグループが出来上がっていた。
「はぁ…なんで入学初日で既にグループが出来上がってるんだよ…ぼっち確定じゃん」
黒崎は黒板を見て自分の席を確認する。1番後ろの窓側の席だったのでそこに座ろうとすると、既に5人のグループにその周辺が占拠されていた。
黒崎は恐る恐る喋りかける
「あのぉ…そこ俺の席なんで座ってもいいですかね?」
すると、グループの1人坊主の身長190はあるであろうガタイの良い男が机に座っていたのを立ち上がり
「お前誰?」
「あ、そこの席の黒崎です…」
小声でボソッと呟くと
グループの1人の金髪のチャラい男が制止する
「まぁ、鬼頭こいつの席ここらしいから、空けてやろうぜ」
どうやら坊主は鬼頭というらしい
鬼頭は黒崎を睨みながら、
「お前、名前は?」
「黒崎透です…」
「ふぅーん」
鬼頭はそう言うと、黒崎の1個前の机にドカッと座る
「黒崎?だっけ?悪いね俺、沼田って言うからよろしく」
沼田は黒崎に握手を求めた。
「よろしくお願いします…」
「なんで敬語なんだよ。同級生だろ?」
「あ、じゃあ沼田君よろしく」
そういい握手に応じた。
鬼頭は他3人と前の方で別の会話をしていて、沼田も握手の後その会話に混じった。
授業が行われるも、ほぼ誰も授業をまともに聞いてる生徒はおらず、動物園状態だった。
その授業中隣の席の奴が話しかけてくる。
「なぁ。俺らなんでこんなとこ来ちまったんだろうな」
そいつは1000円カットで切ったような髪型のやつが話しかけてきた。そいつの名前は横山豊
クラスで目立たない人間だ。
「俺は昔から勉強も運動もダメで仕方なくここに」
と黒崎が言うと
「俺もだよ。ゲームにハマってて、高校受験全く勉強してなかったから、ここにしか入れなくて来たんだよ。」
「正直俺らのような奴らはいついじめの対象になるかわからねー。だから、なるべくあいつらには近づかないようにしようぜ特に、さっき黒崎君に絡んできた鬼頭ってやつ、あいつは地元じゃ、有名な暴走族だったらしいぜ。」
「だろうな。あの見た目予想通りのやつだ」
「黒崎君は、特に鬼頭に気をつけろよ?」
「あぁ。そうするよ。」
授業が終わり、休み時間になると、鬼頭が黒崎を呼び出す。
「黒崎、トイレ来いよ。」
肩を組まれそのまま言うがまま、男子トイレにつれていかれる。
トイレに着くとそこには鬼頭の取り巻きの3人(沼田はいない)と黒崎のように目立たない生徒が居た
その生徒の名前は横山豊。
「横山と黒崎で喧嘩しろ。負けた方リンチな」
「は!?なんで俺が喧嘩なんかしなきゃ行けないんだよ」
「ゴチャゴチャうるせえよ相手はやる気みたいだぞ?」
「え?」
次の瞬間黒崎の顔面に拳がくい込んでいた
黒崎は倒れ込む
「黒崎君、ごめん!」
横山は再び拳を振るいあげる
黒崎は必死に腕で顔を覆うも、次々とパンチや蹴りが飛んでくる。
(クソッ痛い痛い痛い!なんで俺がこんな目に合わなきゃならねーんだよ)
黒崎は運動音痴の中でも郡を抜いて運動音痴だった。それ程、運動が得意ではない横山に手も足も出ずにボコボコにされた。
「おーし、横山帰っていいぞー」
鬼頭がそう言うと、
「本当か!?いいんだな?」
「あぁ。後これやるよ」
鬼頭の取り巻きが財布から1万円を出して横山に渡した。横山は黒崎に目を合わせずに出ていった
横山がトイレを出ていったあと鬼頭はしゃがんで目線を倒れてる黒崎に近づける。
「お前、あいつと友達だったよな?本当に滑稽だったよ。お前が来る5分前にあいつを呼び出して、黒崎ボコッたら1万やるよって言ったら、本当にあいつお前をボコボコにしたよな?所詮人間なんて、そんなもん。あいつ金に目が眩んだんだよ。」
黒崎は言葉も出なかった。
チャイムがなった。
「時間切れか行くぞ」
鬼頭は取り巻き3人を連れて教室に戻った。
黒崎はただひたすら呆然とするしか無かった。
高校3年生の半年が経過した頃、黒崎はあらゆるいじめを受けていた。その学校帰りに公園があり、その公園に寄る。
その公園のブランコで今日も生き延びたことを実感しながら、夕日を眺めていると、近くの公衆電話が鳴り響いた。
「なんだ?公衆電話が鳴るなんて珍しいな」
黒崎は好奇心から、公衆電話の中に入り、受話器を手に取り、耳に当てる。
「世界が変わる。」
少女の声がそう告げると電話は切れてしまった。
「今の電話何だったんだよ。」
公衆電話から出て、公園を出ようとすると1人の少女が話しかけてきた。
「ねぇ今電話に出たでしょ?」
ピンク髪の高校生ぐらいの年齢の少女だ。
「え?まぁでましたけど、」
「なんて言われた?」
「世界がかわる?みたいなこと言って電話切られたけど…」
その少女は顎に手を当ててやっぱりと頷く。
「というか、どなた様ですか?」
「あ!私、ミルフィーユ!ミルフィって呼んで」
「俺は黒崎透って言います。あの、そのさっきの電話は何だったんですか?ミルフィさんは何か知ってそうですけど…」
恐る恐る聞くと、ミルフィは素直に答えてくれた。
「さっきの電話は言葉の通り。この世界の法則が変わったの。」
「世界の法則?具体的にどんな風に」
「例えば、前の世界では科学?というものがあったけど、それが今の世界では魔法に置きかわったの。」
「まじ?魔法って炎とか出すやつ?」
「そーそーそういうやつ。」
黒崎は少しテンションが上がり気味に質問する
「その魔法って俺でも使えるの?」
「うん。練習すれば誰でも使えるよ!」
「まじ?どうやったら使えるようになるの?」
ミルフィはニヤリと笑うと
「じゃあ私が魔法の使い方を教えてあげるよ。ただし、条件がある。それは貴方をこの3年間色んな人間が虐めてきた。それらの人間を全員殺すこと」
ミルフィが提示してきた条件は、あまりに意味不明だった。
「なんで俺が、いじめられてきたことを知ってるんだよ。つーかなんでそれが条件?」
ミルフィは全部見てきたからという。
ミルフィの話によると、ミルフィは黒崎以外の人間には見えないらしい。
そして、黒崎の高校生活を見てきたという。
「でも殺すってそんなことしたら捕まってしまうじゃないか!」
「魔法は色んな魔法があるからね。当然バレないようにする魔法もある。」
「でも、この世界は魔法が使えるのが当たり前になったんだろ?じゃあ警察にそのバレない魔法が対策してるかもしれないし、俺をいじめきたヤツらだって魔法が使えるんじゃねえの?」
黒崎がミルフィに質問すると、
「私が貴方に教える魔法は他の有象無象とは訳が違う。警察にはバレないし、いじめっ子達が使う魔法よりより高度だよ。」
「なら良かった。でもなんでここまでしてくれるんだ?」
黒崎が当然の質問をミルフィにすると、
「私は実体がないの。だから、貴方のように実際に生きてる人間に頼らないといけない。」
「でもどうして、俺をいじめてきたヤツらを殺すことがミルフィの目的なんだ?」
ミルフィは少し沈黙する。しかし、すぐにくちをひらくと、
「私いじめられてる人間を放っておけないんだ!」
黒崎は本能的にその言葉が嘘である事がわかった。
だけど、深く追求するつもりにはなれなかった。
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