マナー

もふもふ

(下書き)

「知恵」


魔王 ギリギリかつ

生き残り1人


勇者との戦いで傷を負い、治すために医者になる知恵を付けるため人間の塾に通って友達が出来る

友達の母親に助けられて惚れる


反対を押し切って結婚



本編


薄暗い広間に二つの人影がある


片方は既に事切れている


「おのれ…たかが人間の勇者なんぞがここまで我を追い詰めるとは……」


勇者と魔王は死闘を繰り広げ、勇者は敗れた。


「我が城も、部下も全て失った…後は満身創痍の我だけか……ククク」

全身から血を流し、魔王は元気無く笑う



「傷が、深い……治療がいる」


しかし、治療の為の設備も、回復魔法を使える部下も、もはや無い

ならば自ら治療するしか無い




魔王は医者になることを決意した


それからの行動は早かった


図書館に、塾に、進研ゼミに、時間の多くを勉強に割いた


魔王ということで最初は周囲の者に距離を置かれた

しかし、地道に真面目に勉強することで、少しずつ周りの人の見る目が変わっていった



中学、高校、大学、少しずつだが確実に医者への道を歩んでいく魔王


そしてついに迎えた医師国家試験当日


その日は、数年ぶりの最強寒波のせいで日本中が雪に見舞われていた



雪のせいで事故や渋滞が相次いでいるが、念の為に早めに出て正解だった


バスの中で最後の復習をする魔王


合格する自信はある。これで医者になれる。

長年の努力がもうすぐ実る


しかし、乗っていたバスも渋滞に巻き込まれてしまう


このままでは試験に間に合わない

歩いたほうが早いと判断した魔王はバスを降り、会場へ向かう


そして、倒れている女性を見つけてしまった

咄嗟に駆け寄り、話し掛ける



「どうしました!どこか痛みますか!?」

「急に、背中が……痛くて……」




見過ごせば試験には間に合う

見過ごせばこの女性はどうなる?




「お兄さん、何か急ぎの用事があるんじゃないの……?」

「大した用事じゃ無いですよ」



結論から言うと試験には間に合わなかった


医者になることはついぞ叶わなかった


しかし、これがきっかけで女性と交流を持ち、親しくなった


籍を入れ、妻の名字も魔王になった

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